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マディーナ啓示。
175、または176、または177節。
人々よ、おまえたちの主を畏れ身を守れ。彼は一人の魂からおまえたちを創り、また、そこからその配偶者を創り、両者から多くの男と女を撒き散らし給うた御方。アッラーを畏れ身を守れ。おまえたちが彼に誓って頼みごとをし合う御方。また、血縁を。まことにアッラーはおまえたちを看視し給う御方であらせられた。(4:1)
『人々よ』
マッカの住民よ。
『おまえたちの主を畏れ身を守れ』
彼に従うことによって、彼の懲罰を。
『一人の魂から』
アーダムから。
『そこから』
左の肋骨の一本から。
『その配偶者を』
ハゥワーゥを。「hawwā’」と長母音で伸ばす。
『両者から』
アーダムとハゥワーゥから。
『女を』
多くの。
『撒き散らし給うた』
分け、広げ給うた。
『おまえたちが彼に誓って』
おまえたちの間にあることについて、互いに、「アッラーの名にかけて、お願いがある」、「アッラーに誓って、頼む」などと言う時に。
『頼みごとをし合う』
互いに頼みごとをし合う。(元の「tatasā’alūna」動詞派生形6形の接頭辞の)「ターゥ(t)」が、動詞の第1語根の「スィーン(s)」に吸収・同化されて、「tassā’alūna」となっている。別の読誦法では、促音なしでそれを省略して「tasā’alūna」(監訳者注:ハフス&アースィム版では後者の読誦法を採る)。
『また』
(以下のものについて)畏れ身を守れ。
『血縁を』
それを断つことを。(『血縁を(wa al-’arhāma)』は、)『彼に誓って』の代名詞と同格で接続し、属格とし語尾を母音「i」で読む読誦法(「wa al-’ar hāmi」)もある。彼らは血縁に誓って頼みごとをしていた。
血縁を結ぶことは、寿命を長くし、糧を増やすなど、あらゆる善に通じる。一方、血縁を断つことは、あらゆる悪に通じる。そのためこの節では、アッラーへの畏怖と血縁への気配りが並列されている。
血縁を断つことは大罪の一つである。アーイシャによると、アッラーの御使いは言われた、「血縁は玉座と繋がっていて、『われを繋いだ者とアッラーは関係を繋ぎ給い、われを断った者とアッラーは関係を断ち給う』と言っている」。
『まことにアッラーはおまえたちを看視し給う御方であらせられた』
おまえたちの行いを守護し、お前たちにそれを報い給う御方。つまり、彼は常にその特徴を帯びた御方であらせられる。
また、孤児には彼らの財産を与え、悪いものを良いものと取り替えてはならない。彼らの財産を自分たちの財産に加えて貪ってはならない。まことにそれは大きな咎である。(4:2)
孤児が彼の後見人(である叔父)に自分の財産を求めた際、彼はそれを拒んだ。そこで(両者が預言者に訴えたところ)、この節が下された。
これを聞いた叔父は、「われらはアッラーに従い、使徒に従った。われらは大罪からアッラーに守護を求める」と言った。そして孤児に財産を戻し、彼はそれをアッラーの道のために費やした。
『孤児には』
父親のいない子供たち。
「孤児(yatīm)」とは、父親が死去した者のことである。語義的には大人も含まれるが、常識的に幼い者に限る。預言者の言葉に次のようにある、「夢精後は孤児ではない」。なお、両親共に死去した子供は「latīm」と言う。
『彼らの財産を与え』
成人したなら。
『悪いものを』
ハラーム(禁じられたもの)を。
『良いものと取り替えてはならない』
ハラール(許されたもの)と。つまり、おまえたちが孤児の財産のうちから良いものを取り上げて、自分たちの財産から悪いものをその代わりに与えているように、悪いものと引き換えに良いものを取り上げてはならない。
孤児の財産は後見人にとってハラームな(触れることを禁じられた)財産で、それと自分自身のハラールな(使うことの許された)財産を取り替えてはならない。あるいは、孤児の太った羊を自分の貧弱な羊と取り替えたり、銀貨を偽銀貨と取り替えて、「羊を羊と交換し、銀貨を銀貨と交換しただけだ」と言うことである。
『彼らの財産を』
混ぜ合わせて。
『それは』
それを食べることは。
『大きな』
重大な
『咎である』
罪である。
もし、おまえたちが孤児に対して公正にできないことを恐れるなら、女でおまえたちに良いものを、二人ずつ、三人ずつ、四人ずつ娶れ。もし、おまえたちが公平にできないことを恐れるならば、一人、またはおまえたちの右手が所有する者を。それが不均衡にならないことにより近い。(4:3)
前節が下された時、人々は罪を恐れて孤児の庇護を控えた。その中に9、10人の妻を持つ者がいて、その間を公平に扱うことができなかった。それに対してこの節を啓示し給うた。
『公正に』
公平に。
『できないことを』
「できないこと(’allā)」は、「こと(’an)」の語尾の(n)が「・・・ない(lā)」の語頭の(l)に吸収・同化されたもの。
『恐れるなら』
そして、彼らの件で困難をおぼえるなら。また同じように結婚する時には妻の間を公正にできないことを恐れるならば。
『良いもの』
「mā(もの)」は「man(者)」の意味で使われる。
『二人ずつ、三人ずつ、四人ずつ』
2人なら2人、3人なら3人、4人なら4人と。それを超えてはならない。
『娶れ』
結婚せよ。
『公平にできないことを恐れるならば』
彼女らにおいて、生活費、当番を。
『できないことを』
「できないこと(’allā)」は、「こと(’an)」の語尾の(n)が「・・・ない(lā)」の語頭の(l)に同化吸収されたもの。
『一人』
彼女(1人)と結婚せよ。
『または』
次のものに留めるがよい。
『おまえたちの右手が所有する者を』
女奴隷の中から。なぜなら、彼女らには妻に対するような義務はないからである。
『それが』
つまり、4人だけと結婚するか、1人にするか、あるいは女奴隷とにするか。
4人との結婚は8人、10人との結婚より不公平がないことに近く、女奴隷か、1人の女との結婚は、2人、3人、4人との結婚より不公平がないことに近い。
『不均衡にならないことに』
不正をなさないことに。
『より近い』
より近くにある。
アル=ハサンによると、孤児の女児の後見人の中には、ただ彼女らの財産目当てに彼女らと結婚する者がいた。彼らは妻を邪険に扱い、彼女が死んで財産が自分のものとなることを願っていた。
ウルワによると、彼がアーイシャにこの節について尋ねると、彼女は言った、「私の妹の息子よ、この孤児の娘が彼女の後見人の家にいたところ、彼は彼女の美と財産を欲し、結婚持参金を出し惜しみました。そこで結婚持参金を完全に支払い、公正にしなければ結婚が禁じられ、ほかの女と結婚するよう命じられたのです」。
また、イブン・アッバースによると、クライシュのある者には10人以上の妻があり、その扶養ができなくなって、家で後見している孤児の財産に手をつけ、それで扶養をまかなったことから、孤児の財産に手をつける罪を犯さないよう、妻は4人までにするようにと命じられた。
また、女たちには彼女らの持参金を贈り物として与えよ。彼女らがおまえたちのためにそのいくらかを自ら快く諦めるなら、喜んで咽喉越し良くそれを食べるがよい。(4:4)
『彼女らの持参金を』
「持参金(saduqāt)」は、「持参金(saduqah)」の複数形。彼女らの婚資を。
「結婚持参金(saduqah)」はマフル(婚資)の同義語の一つで、sadaqah、sadqah、sadāq、sidāqなどとも言われる。
『贈り物として』(意味的な)動名詞。心から快く与えるものとして。
『与えよ』
贈れ。
『自ら快く』
弁別の対格で、主語(『彼女ら』)が転じたもの。つまり、彼女ら自身が結婚持参金のいくらかをお前たちに対して快く諦め、それをおまえたちに贈与したなら。
『喜んで』
良いものとして。
『咽喉越し良く』
そのことのせいで来世でおまえたちに害はない、結末が祝福されたものとして。
『それを食べるがよい』
それ(妻が快く諦めた婚資を受け取ること)を嫌った者に対する返答として啓示された。
アッラーがおまえたちのために支えとなし給うたおまえたちの財産を愚か者に渡してはならない。彼らにはその中で糧を与え、衣服を着せ、適切な言葉を掛けよ。(4:5)
『・・・渡してはならない』
後見人よ。
『アッラーがおまえたちのために支えとなし給うた』
『支えと(qiyāman)』は、「支える(qāma)」の動名詞。つまり、おまえたちの生活とおまえたちの苦境の改善を支える。別の読誦法では、生活必需品が値踏みされるところのもの、「qīmatan(価値)」の複数形「qiyaman」と読む。
『おまえたちの財産を』
つまり、おまえたちの手にある彼らの財産を。
『愚か者に』
男であれ、女であれ、子供であれ、財産を無駄使いする者に。
『渡してはならない』
渡せば、彼らはそれを不適当に使うであろう。
『彼らにはその中で糧を与え』
そこから彼らに食べさせ。
『その中で(fī-hā)』「min-hā(それから)」ではなく、「fī-hā(その中で)」となっているのは、後見人は預かった孤児の財産で商売をし、利益を得、その利益から孤児の衣食をまかなうようにすることが望ましいからである。
『適切な言葉を掛けよ』
彼らに分別が付いたら、彼らの財産を彼らに与えるという良い約束を彼らに約束せよ。
孤児は結婚年齢に達するまで試み、それで彼らに分別があるとおまえたちが認めたなら、彼らに彼らの財産を支払え。彼らが成人するので(まで?)、それを無闇に性急に貪ってはならない。富裕ならば差し控え、貧困ならば良識に従って食べよ。そして、おまえたちが彼らに彼らの財産を返す時には彼らに証人を立てよ。清算者にはアッラーで十分であらせられる。(4:6)
『孤児は』
成人前の。
『結婚年齢に達するまで』
夢精があるか、結婚年齢、すなわちアル=シャーフィイーによれば満15歳に達し、それ(結婚)に相応しくなるまで。
『試み』
自分の宗教と自分の状況の管理(特に財産管理)について試験し。
『彼らに分別があると』
宗教と財産についての適性を。
『認めたなら』
見極めたら。
『彼らに彼らの財産を支払え・・・貪ってはならない』
後見人たちよ。
『彼らが成人するので』
分別を備えて。その時には彼らにそれを渡さなければならない。
『無闇に』
状態の副詞的修飾句。正当な理由なしに。
『性急に』
(彼らが成人して、それを引き渡さねばならないのを)恐れて、その蕩尽を急いで。
イブン・アッバースによると、後見人の中には孤児の財産が増えないようそれを使い込む者がいた。
『富裕ならば』
後見人が。
『差し控え』
孤児の財産には手をつけず、それを貪ることを慎み。
『良識に従って』
自分のなした行為の報酬分だけ。
『食べよ』
そこから。
『おまえたちが彼らに』
つまり、孤児に。
『彼らの財産を返す時には彼らに証人を立てよ』
彼らがそれを受け取り、おまえたちが潔白であることについて。そうすれば、意見の相違が起こっても、証言を参照することができるからである。これは(義務ではなく)指導(推奨)としての命令文である。
『清算者にはアッラーで』
「bi-」は虚字。
『十分であらせられる』
被造物の行いの記録者、清算者として。
この節は、サービト・ブン・リファーアについて下された。彼の父は幼いサービトを遺して死んだ。そこで彼の叔父がアッラーの御使いの許に行き、「私の兄弟の息子が私の家に居ます。彼の財産のなにが私に許され、いつ、彼に彼の財産を渡せばよいですか」と尋ねた。そこで、アッラーはこの節を啓示し給うた。
男には両親と血縁者が遺したものからの配分があり、女には両親と血縁者が遺したものから、そのわずかなもの、あるいは多くのものからの配分がある。定めの配分である。(4:7)
ジャーヒリーヤ(無明)時代に女と子供に遺産を相続させなかったことについて啓示し給うた。
『男には』
男児、血縁者には。
『両親と血縁者が』
死去した者(両親と血縁者)が。
『配分が』
取り分が。
『両親と血縁者が遺したものから』
財産から。
『そのわずかなもの、あるいは多くのものから』
それはアッラーが定められた。
『定めの配分である』
必ずそれらの者に渡すべき、と断定された。
伝承によると、アンサール(援助者)のアウス・ブン・サービトが死に、後に妻のウンム・クッハと3人の娘を遺した。すると、死者の父方のおじの息子でその遺産保管人のスワイドとアルファジャがその財産を取り、妻にも娘にも取り分を与えなかった。ジャーヒリーヤ(無明)時代には女には遺産の相続がなく、子供にも、たとえ男児であってもなかったからである。そこで妻はアッラーの御使いの許に行き、訴えて言った、「アッラーの御使いよ、アウス・ブン・サービトが死去し、私には3人の娘が遺されました。しかし、女の私には娘たちを扶養するものがありません。娘たちの父親は十分な財産を遺していますが、それはスワイドとアルファジャの許にあり、彼らは私にも娘にもなにもくれません。彼らは娘たちに食べさせることも着せることもしません」。アッラーの御使いが2人を呼ぶと、彼らは言った、「アッラーの御使いよ、彼らの子供は馬に乗らず、重荷を負わず、敵を打ちもしない」。すると、この節が下され、娘たちへの相続が確保された。そして、アッラーの御使いは2人に言われた、「アウスの財産には触れてはならない。アッラーは彼の娘たちに遺産の取り分を定め給うたが、それがどれだけかは明示し給わなかった。それについての啓示があるまで待ちなさい」。するとアッラーは、『アッラーはおまえたちの子供についておまえたちに教示し給う・・・』(第4章[女]11節)を啓示し給い、アッラーの御使いは妻のウンム・クッハに8分の1、娘たちに3分の2を与え、残りを叔父の息子たちに与えられた。
分配に血縁の者、孤児、貧しい者が居合わせた場合には、彼らに糧を与え、彼らに適切な言葉を掛けよ。(4:8)
『分配に』
遺産相続に。
『血縁の者』
相続権のない血縁の者。
『彼らに糧を与え』
分配の前になんらかのものを。
『彼らに』
遺産相続人が年少の場合には。
『適切な言葉を』
「これは遺児たちのものであって、おまえたちには所有権はないのだ」と弁明するやさしい言葉を。
『掛けよ』
後見人たちよ。
相続権のない血縁者への贈与の命令は破棄されたとも言われる。あるいは破棄されたわけではないが、人々がそれを軽視し行わなくなった、とも言われる。その考え方によると、それは(義務ではなく)推奨行為である。一方、イブン・アッバースはこれを義務とした。
か弱い子孫を後に遺すことになった場合に彼らについて恐れる者には、案じさせよ。そして、アッラーを畏れ身を守り、正しい言葉を掛けさせよ。(4:9)
『か弱い子孫を』
幼い子供を。
『後に』
死後に。
『遺すことになった場合に』
遺す時が近づいた場合に。
『彼らについて恐れる』
損失を。
『案じさせよ』
孤児について心配させよ。
『アッラーを畏れ身を守り』
孤児の件で。彼ら(孤児たち)には自分の子孫に自分の死後にしてもらいたいと望むことをさせよ。
『正しい言葉を・・・』
施しは3分の1以内に留め、残りは遺族に残し、遺族を困窮のうちに放置してはならない、と命じるなど、適切な言葉を。
『・・・掛けさせよ』
死に逝く者に向かって。
また、孤児には自分の子供に掛けるような穏やかで思いやりがあり丁寧な言葉を掛けよ。
不正に孤児の財産を貪る者たちは、火を腹の中に食らう。そして、彼らはいずれ烈火に火をくべる。(4:10)
『不正に』
正当な理由なしに。
『火を』
なぜなら、彼はそこ(獄火)に帰り至るからである。
『腹の中に食らう』
つまり、それ(腹)一杯に。
『彼らはいずれ・・・火をくべる』
入る。能動態で「sa-yaslauna(いずれ火をくべる)」と読む読誦法と受動態で「sa-yuslauna(いずれくべられる)」と読む読誦法がある。
『烈火に』
激しい火。彼らはその中で焼かれる。
ガタファーン族のミルサド・ブン・ザイドという男が兄弟の息子の後見人であったが、彼はその孤児の財産を消費した。それに対してこの節は下された。この節が下ると、人々は孤児の財産を自分の財産と混ぜ合わせることを完全に止めた。すると困難が生じたため、『もしおまえたちがかれらと混ざるなら、おまえたちの兄弟である』(第2章220節)が下された。するとある者たちはこの節によって当節(第4章10節)が破棄されたと考えた。しかし、それは考え違いである。なぜなら、当節は不正に孤児の財産を使うことを禁じたものであるからである。
アッラーはおまえたちに、おまえたちの子供たちについて教示し給う。男には女二人の取り分に相当するものがある。もしそれが女二人以上であれば、彼女らには彼の遺したものの三分の二がある。また、もしそれが女一人であれば、彼女には半分がある。また、彼の両親には、彼に子供がいる場合、両者のそれぞれに遺したものから六分の一がある。彼に子供がなく、両親が相続人である場合、彼の母親には三分の一がある。彼に兄弟がいる場合には、彼の母親には六分の一がある。言い残した遺言や債務の後からである。おまえたちの両親と子供と、おまえたちはそのどちらがおまえたちにとって益においてより近いかを知らない。アッラーからの義務である。アッラーは全知にして英明であらせられた。(4:11)
『おまえたちの子供たちについて』
子供たちの問題について。
『教示し給う』
命じ給う。(次に)述べ給うことを。
『男には』
彼らのうち。
『女二人の取り分に』
配分に。
『相当するものがある』
男1人と女2人がいた場合、男に遺産の半分、女2人に残りの半分となる。男1人に女1人の場合には、女が3分の1、男が3分の2となる。男1人であれば、財産をみな得る。
『それが』
遺児が。
『女二人以上であれば』
・・・だけであれば。
『彼女らには彼の』
死者の。
『遺したものの三分の二がある』
2人でも同様である。というのも、『(姉妹)二人には彼(兄弟)の遺したものの三分の二』(第4章[女]176節)との御言葉により、姉妹2人が3分の2を取るとすれば、娘2人はなおさらだからである。また娘は息子がいる場合にも3分の1の権利を持つ以上、女とならなおさらである。『以上(fawqa)』は一説によると「関係詞」である。別の説では、男子に対する娘1人を3分の1とした上で娘2人に3分の2の権利があると知った時に、(娘の)数の増加によって(娘たち)分け前が増加すると勘違いするのを防ぐためであるとも言われる。
『それが』
遺児が。
『女一人であれば』
『女一人で(wāhidatan)』は、主格で「wāhidatun(女一人が)」と読む読誦法もある。その場合の「あれば(kānat)」は(繋辞でなく)存在の自動詞である(「もし、女1人がいた時には」)。
『彼の両親には』
死者の両親には。次の『両者のそれぞれに』が言い換えになっている。
『彼に子供がいる場合、両者のそれぞれに遺したものから六分の一がある』
子供が男だろうと女だろうと。(「両親に」を「それぞれに」と)言い換えた意義は二人でそれ(6分の1)を分け合うのではないことの明示にある。「子供」には、「息子の子供」、「父」には「祖父」が含まれる。
『彼に子供がなく、両親が相続人である場合』
(両親)だけが(相続人である場合)。あるいは妻と(両親だけが相続人である場合)。
『彼の母親には』
第1語根のハムザは母音「u」で「li-’ummi-hi」と読む。(ここと次の『彼の母親には(li-’ummi-hi)六分の一』の)2箇所で、 (「li」の「i」から「’ummi」の「u」への)母音転化が難しいのを避けて、母音「i」で(「li-’immi-hi」と)読む読誦法もある。
『三分の一がある』
遺産の3分の1、または妻の(取り分を取った)後の残りの。その残りは父親のものである。
『彼に兄弟がいる場合に』
2人かそれ以上。男であれ女であれ。
『彼の母親には六分の一がある』
その残りは父親のもので、兄弟にはなにもない。既述の範疇の者への遺産は既述の通りである。
『言い残した』
動詞派生形第 4形未完了能動態で「yuwsī(言い残した)」と読む読誦法と受動態で「yuwsā(言い残された)」と読む読誦法がある。
『債務の』
彼に課された債務の返済の。
『後からである』
(それらの)実行の。遺言の遂行が債務の返済に先行している。そちら(遺言の実行)の方が実行においてはその(債務の返済の)後であるが、それへの関心のためである。
『おまえたちの両親と子供と』
主語。述語は次の文である。
『おまえたちはそのどちらがおまえたちにとって益においてより近いかを知らない』
現世と来世において。息子の方が有益だと考え、息子にそっくり遺産を与えたところ、父親の方が有益であったり、またその逆であったりする。それを知っておられるのはアッラーだけであり、それゆえ、おまえたちに遺産相続を義務付け給うたのである。
アル=タバラーニーによると、親子関係にある一方が他方より楽園で高い地位に上げられた場合、彼は他方が彼の許まで上げられるよう祈り、その執り成しによって彼は上げられる。
『アッラーは全知にして』
彼の被造物について。
『英明であらせられた』
彼らのために彼が取り計らい給うたことにおいて。彼は永遠にその属性を帯び給う。
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