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もしわれらが彼らに自分たちを殺せ、あるいは家から出よ、と書き定めても、彼らのうちわずかな者しかそれを実行しなかったであろう。もし彼らが訓戒されたことをなしていれば、それは彼らにとってより良く、より確信を強めるものとなったであろう。(4:66)
『われらが彼らに自分たちを殺せ、あるいは家から出よ』
イスラーイールの子孫にわれらが書き定めたように。
『・・・と書き定めても』
「・・・と(’an)」は説明の接続詞。
『わずかな者』
「言い換え」として主格で「qalīlun(わずかな者)」と読む読誦法と、または例外指示により対格として「qalīlan(わずかな者)」と読む読誦法がある。
『(彼らは)それを実行しなかった(lā fa‘alū-hu)』の代名詞「彼ら」の言い換え。
『それを』
彼に課せられたことを。
『彼らが訓戒されたことを』
使徒への服従を。
『より確信を強めるものとなったであろう』
彼らの信仰をより確かなものとしたであろう。
その時には、われらはわれらの方から大きな報酬を彼らに与えたであろう。(4:67)
『その時には』
もし彼らが確信を抱いたならば。
『われらの方から』
われらの許から。
『大きな報奨を彼らに与えたであろう』
それは楽園である。
また、彼らを真っすぐな道に導いたであろう。(4:68)
『真っすぐな道』
それはイスラームの教えである。
アッラーと使徒に従う者、それらの者はアッラーが恵みを垂れ給うた預言者、篤信者、殉教者、そして正しい者たちと共にある。それらの者のなんと良き仲間であることよ。(4:69)
この節は、教友のある者が預言者に、「いかにしてわれらはあなたに楽園で会うことができるのですか。あなたは高い階層にいて、われらはあなたより下の階層にいるというのに」と言ったことに対して啓示された。
『アッラーと使徒に従う者』
彼らが命じたことにおいて。
『篤信者』
誠実さと篤信ゆえに預言者たちの弟子たちの中でも特に卓越した者。
『殉教者』
アッラーの道において殺された者。
『そして正しい者たち』
それ以外の者。
『それらの者のなんと良き仲間であることよ』
楽園における仲間。彼ら(預言者、篤信者、殉教者、正しい者たち)の住まいは彼ら以外の者に比べて高い階層にあるが、彼ら(アッラーと使徒に従う者)は彼ら(預言者、篤信者、殉教者、正しい者たち)に会い、彼らを訪ね、彼らと共に過ごす喜びを得る。
それはアッラーからの恩恵であり、知る者としてはアッラーで十分であらせられた。(4:70)
『それは』
既述の者たちと彼らが共にいることは。主語。その述語は次の句。
『アッラーからの恩恵であり』
彼らに対する特別の恵みである。なぜなら、彼らは服従行為ゆえにそれを授かったのではないからである。
実のところ、それは純粋にアッラーからの恩恵の賜物である。
『知る者としてはアッラーで十分であらせられた』
来世の報奨については。つまり、それゆえ、アッラーがおまえたちに告げ給うたこと、そして「精通した者(khabīr=アッラー)」以外はおまえたちに告げることのできないことを、しっかりと信じよ。
信仰する者たちよ、警戒せよ。そして、分隊で突進するか、一斉に突進せよ。(4:71)
『警戒せよ』
おまえたちの敵に対して。つまり、それ(敵)に用心し、気を配れ。
『分隊で』
一隊ごと分かれて。
「分隊」とは「隊」の複数形で、それは10人以上の集団を指す。二人以上、とも言われる。
『突進するか』
戦闘に向かって奮起するか。
『一斉に突進せよ』
一丸となって。
まことにおまえたちの中には遅れる者がいる。そして、おまえたちを災難が襲うと、「アッラーは確かに私に恵みを垂れ給うた。それで、私は彼らと共に殉教者にならなかった」と言った。(4:72)
『遅れる者がいる』
戦闘に遅参する。偽信者アブドッラー・ブン・ウバィイとその仲間たちのように。アッラーは彼を見かけは彼ら(ムスリム)のひとりのように扱い給うているのである。
しかし実際には、彼らは彼ら(ムスリム)の敵である。
動詞『遅れる』に付加されている辞詞「la(まことに)」は誓言導入の「ラーム(l)」である(誓いの言葉は省略されている)。
『災難が襲うと』
死や敗北が。
『アッラーは確かに私に恵みを垂れ給うた。それで、私は彼らと共に殉教者にならなかった』
彼らは出征したために、災難が襲った。
ところが、まことにもしおまえたちにアッラーからの恩恵が下れば、おまえたちと彼の間に友好がなかったように、「ああ、私が彼らと共にいたらよかったものを。そうすれば、大きな成功をなし遂げたであろうに」ときっと言うのである。(4:73)
『まことにもし』
辞詞「la(まことに)」は誓言導入の「ラーム(l)」。
『アッラーからの恩恵が下れば』
勝利や戦利品が。
『友好が』
知己や友情が。
『なかった』
未完了短形の男性単数の接頭辞「ヤーゥ(y)」で「なかった(lam yakun)」と読む読誦法と、未完了短形の女性単数の接頭辞「ターゥ(t)」で「なかった(lam takun)」と読む読誦法がある。
『ように』
(「ka-’an(・・・であるように)」は)促音なし。主語が省略されている。つまり、「ka-’anna-hu(それが・・・であるように)」。
『おまえたちと彼の間に友好がなかったように』
前の『アッラーは確かに私に恵みを垂れ給うた』という言葉にかかり、次の彼の言葉との間の挿入句である。
『ああ』
感嘆詞。
『大きな成功をなし遂げたであろうに』
戦利品からたっぷりと分け前を得て。
『・・・と言うのである』
悔やんで。
それゆえ、来世のために現世の生活を売買する者たちにアッラーの道において戦わせよ。アッラーの道において戦う者は、殺されても、勝利を得ても、いずれわれらが彼には大いなる報酬を与えよう。(4:74)
至高なる御方は仰せられた。
『現世の生活を売買する者たちに』
売り払う者に。
『アッラーの道において戦わせよ』
彼の宗教が高められるために。
『アッラーの道において戦う者は、殺されても』
殉死しても。
『勝利を得ても』
敵に打ち勝っても。
『大いなる報酬を与えよう』
豊かな報償を。
どうしておまえたちは戦わないのか、アッラーの道において、また、抑圧された男たち、女たち、そして子供たちのために。彼らは、「われらの主よ、われらを住民が不正をなすこの町から救い出し、われらにあなたの御許から庇護者を送り、われらにあなたの御許から援助者を送り給え」と言っているのに。(4:75)
『どうしておまえたちは戦わないのか』
非難の疑問文。つまり、おまえたちを戦闘から阻止するものはない。
『抑圧された男たち、女たち、そして子供たち・・・』
不信仰者が彼らを移住(ヒジュラ)をさせずに閉じ込め、迫害していた。イブン・アッバースは言った、「私と私の母もその虐げられた者の中にいた」。
『・・・のために』
・・・の救出のために。
『彼らは』
祈って言った。ああ、・・・。
『住民が不正をなす』
不信仰によって不正をなす。
『この町から』
マッカから。
『庇護者を送り』
われらの問題を統括する庇護者を。
『援助者を送り給え』
彼らからわれらを防衛する援助者を。
アッラーはこの祈りに応え給い、一部の者の脱出を可能にし給い、残りの者たちは残ってマッカの開城を迎えた。そしてムハンマドはイターブ・ブン・アシードを任命し、彼は不正を被った者たちを不正な者から救い、公正に扱った。
信仰する者たちはアッラーの道において戦い、信仰を拒絶する者たちはターグートの道において戦う。それゆえ、シャイターンの味方と戦え。まことにシャイターンの策謀は弱いものであった。(4:76)
『ターグートの道において』
シャイターンの。
『シャイターンの味方と戦え』
彼(シャイターン)の宗教を応援する者と。おまえたちは、アッラーと共にあるおまえたちの力によって彼らに勝つであろう。
『シャイターンの策謀は』
信仰者に対する。
『弱いものであった』
脆い。アッラーの不信仰者に対する策謀に対抗することはできない。
おまえは見なかったか。「おまえたちの手を控え、礼拝を守り、喜捨を払え」と言われた者たちを。彼らに戦闘が書き留められると、途端に彼らの一部は、ちょうどアッラーに対する慴れのように、あるいは一層激しい慴れで人々を慴れるのである。そして、言った、「主よ、どうしてあなたはわれらの上に戦闘を書き留め給うたのか。わずかな期間、われらを猶予してはくださらないものか」。言え、「現世の享楽は少なく、畏れ身を守る者には来世の方がより良い。そして、おまえたちは薄皮ほども不当には扱われない」。(4:77)
マッカで多くの迫害を受けていた教友の一団は預言者に多神教徒との戦いを許可するよう求めたが、彼は彼らに、「手を引け」と言われた。その後、ヒジュラ暦2年に彼らは多神教徒との戦いを命じられた。
『おまえたちの手を控え・・・』
不信仰者に対する戦闘から。マッカで、不信仰者の彼らに対する迫害に対し、彼らがそれ(戦闘)を求めてきた時に。彼らとは、教友の一団である。
『戦闘が書き留められると』
義務付けられると。
『ちょうどアッラーに対する慴れのように』
アッラーの懲罰に対する彼らの。
『あるいは一層激しい慴れで』
彼(アッラー)に対する慴れよりも。『一層激しい』は状態の副詞的修飾句として対格となっている。
『人々を』
不信仰者を。つまり、戦闘による彼らからの懲罰を。
『慴れるのである』
恐れるのである。
『そして、言った』
死に怯えて。
『・・・くださらないものか』
「law lā(・・・ないものか)」とは「hallā(ないのか)」の意味。
『言え』
彼らに。
『現世の享楽は』
そこで楽しむものは。あるいは、そこから得る楽しみは。
『少なく』
消滅に終るもので。
『畏れ身を守る者には』
アッラーの懲罰を。彼に対する反逆を避けることによって。
『来世の方がより良い』
つまり、楽園。
『薄皮ほども』
ナツメヤシの種の薄皮ほども。
『不当には扱われない』
おまえたちの行いは差し引かれることはない。それゆえ、ジハードに出よ。接頭辞を二人称の「ターゥ(t)」で「お前たちは不当に扱われない(tuzlamūn)」と読む読誦法と、三人称の「ヤーゥ(y)」で「彼らは不当に扱われない(yuzlamūn)」と読む読誦法がある。
おまえたちがどこにいようと、死はおまえたちに追いつく。たとえ、おまえたちが高い塔にいたとしても。彼らは、幸福が訪れると、「これはアッラーからだ」と言い、災難が訪れると、「これはおまえからだ」と言う。言え、「どちらもアッラーの御許から」。これらの民が言葉を理解しそうにないのはどうしたことか。(4:79)
『高い』
そびえ立つ。
『塔に』
要塞に。
『・・・いたとしても』
それゆえ、死を恐れて戦闘に怯えるな。
『彼らは』
ユダヤ教徒は。
『幸福が訪れると』
豊作や富が。
『災難が訪れると』
飢饉や災厄が。ちょうど預言者がマディーナに来られた時に彼らに起こったような。
『「これはおまえからだ」と言う』
ムハンマドよ。おまえの悪運のせいだ、と。
『言え』
彼らに。
『どちらも』
良いことも悪いことも。
『アッラーの御許から』
彼の方から。
『言葉を』
彼らに投げかけられた(言葉を)。
『理解しそうにないのはどうしたことか』
理解に近づきもしないのは。彼らの愚昧に対する驚愕を表す疑問文である。行為に近づくことを否定することは、それ(行為)の否定よりも強い。
おまえに訪れる幸福はアッラーからであり、おまえに訪れる災難はおまえ自身からである。われらはおまえを人々に使徒として遣わした。証人としてはアッラーで十分であらせられた。(4:79)
『おまえに』
人間たちよ。
『訪れる幸福は』
良いことは。
『アッラーからであり』
彼からの恩恵としておまえに訪れたものであり。
『おまえに訪れる災難は』
試練は。
『おまえ自身からである』
罪となる行為を犯したためにおまえに訪れたものである。
『われらはおまえを』
ムハンマドよ。
『使徒として』
強調のための状態の副詞的修飾句で対格となっている。
『証人として』
おまえが使徒であることの。
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