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畏れ身を守る者には彼らの清算はわずかにも課せられない。ただし、訓戒がある。きっと彼らは畏れ身を守るであろう。(6:69)
(前節の命令を聞いた)ムスリムたちが、「彼らが話題にするたびに(その場から)立っていたら、モスクに座ることも、周回礼をすることもできない」と言ったのに対して啓示された。
『畏れ身を守る者には』
アッラーを。
『彼らの清算は』
話に耽る者たちの。
『わずかにも』
「・・・に( min)」は虚字。
『課せられない』
彼らと座っても。
『ただし、訓戒がある』
彼らには彼らに対する注意喚起と訓戒が課せられる。
『きっと彼らは畏れ身を守るであろう』
(そのような)会話に耽ることを。
自分の宗教を遊びと戯れとし、現世の生活に欺かれた者たちは放っておけ。誰もが自分の稼いだものによって差し出すことを、それをもって訓戒せよ。彼にはアッラーをおいて援護者も仲裁者もいないのである。また、あらゆる身代金を出しても、それは受け入れられない。それらの者は自分の稼いだものによって投げ捨てられた者であり、彼らには彼らが拒絶したものゆえに熱湯の飲み物と痛烈な懲罰がある。(6:70)
『自分の宗教を』
自分に課せられた宗教を。
『遊びと戯れとし』
それを笑いものにし。
『現世の生活に欺かれた者たちは放っておけ』
放置せよ。彼らに対抗するな。これは戦闘の命令が出る以前のものである。
『自分の稼いだものによって』
行ったことによって。
『差し出す』
破滅に身を差し出す。
『・・・ことを』
・・・ことのないよう。
『それをもって』
クルアーンを用いて。
『訓戒せよ』
訓示せよ。人々に。
『彼にはアッラーをおいて』
彼のほかに。
『援護者も』
援助者も。
『仲裁者もいないのである』
それ(魂)から懲罰を防ぐ(仲裁者も・・・)。
『あらゆる身代金を出しても』
あらゆる代償を支払っても。
『それは受け入れられない』
身代金として支払ったものは。
『彼らが拒絶したものゆえに』
彼らの不信仰ゆえに。
『熱湯の飲み物と』
熱さの極度に達した水と。
『痛烈な懲罰がある』
苦痛を与える懲罰が。
言え、「アッラーのほかにわれらの益にも害にもならないものにわれらが祈り、アッラーがわれらを導き給うた後でわれらが踵を返すというのか。まるで地上でシャイターンが彼を幻惑し、迷った者のように。しかも彼には、『われらの許に来い』と彼を導きに招く友がいるというのに」。言え、「まことにアッラーの導き、それこそ導きである。そしてわれらは諸世界の主アッラーに帰依するよう命じられた」。(6:71)
『われらの益にも』
それを崇拝することによって。
『害にもならないもの』
それを退けることによって。つまり、偶像のことである。
『われらが祈り』
われらが仕え。
『アッラーがわれを導き給うた後で』
イスラームに。
『踵を返すというのか』
多神教徒に戻るというのか。非難の疑問文である。
『彼を幻惑し』
彼を迷わせ。
『迷った・・・』
混乱し、どこに行こうとしているのかもわからない。『彼を幻惑し』の目的語の代名詞「ハーゥ(h)」(「彼を」)にかかる状態の副詞的修飾句。
『・・・者のように』
『われらが踵を返すというのか』の代名詞(われら)にかかる状態の副詞的修飾句である。
『彼を導きに招く』
彼を道に導くための。
『友がいる』
仲間が。 その友が彼に言う。
『われらの許に来い』
だが、彼は彼らに答えず、滅ぼされる。
『アッラーの導き』
イスラームという。
『それこそ導きである』
それ以外のものは迷誤である。
『帰依するよう命じられた』
我々が帰依することを。
「また、礼拝を守り、彼を畏れ身を守れと。彼にこそわれらは集められるのである」。(6:72)
『彼を畏れ身を守れ・・・』
至高なる御方を。
『・・・守れと』
「・・・守ることを」(命じられた)。
『彼にこそわれらは集められるのである』
復活の日、清算のために集められるのである。
また、彼こそは天と地を真理をもって創り給うた御方。彼が「あれ」と仰せられると、それがある日。彼の御言葉は真実である。そして角笛が吹かれる日、彼に主権は属す。不可視界と可視界を知り尽くし給うた御方。そして彼は英明にして精通し給う御方である。(6:73)
『真理をもって』
正しく。
『彼が「あれ」と仰せられると』
ものに対して。
『それがある日』
思い起こせ。それは復活の日のことで、彼は被造物に向かって「立て」と仰せられ、それらは立ち上がる。
『彼の御言葉は真実である』
正しく、必ず起こる。
『角笛が吹かれる日』
角笛(クルン)が。イスラーフィールによる第2の一吹きで、その日、彼のほかに主権はない。『その日、主権は誰にあるか。唯一にして力あるアッラーに』(第40章[ガーフィル]16節)。
『そして角笛が吹かれる日、彼に主権は属す』主権は現世においても来世においても、いつの時も彼に属すが、審判の日には王権を主張する者はなく、主権はアッラーだけに帰され、暴君やファラオなどの現世の王たちはすべてその王権を失い、主権がアッラーだけに帰されることを認め、自分たちが主張していた王権が虚偽であったことを知るのである。
その日、アッラーは、「主権は誰にあるか」と尋ねられ、御自分で、「アッラーに」と答え給う。
『角笛(スール)』とは長い角笛で、その中に全ての魂が閉じ込められているが、そこには魂の数だけ穴があり、その角笛が吹かれると、その穴から魂が抜け出て自分の体の許に行き、息を吹き返す。
アブドッラー・ブン・アムル・ブン・アル=アースによると、ベドウィンが預言者の許を訪ね、言った、「スールとはなんですか」。すると彼は言われた、「吹く角笛である」。
アブー・サイード・アル=フドゥリーによると、アッラーの御使いは言われた、「角笛の主が角笛を口にくわえ、額を傾け、耳を澄ませ、吹くように命じられるのを待つ時、おまえたちはどうするか」。それは教友にとって重大なことであるように彼らは言った、「アッラーの御使いよ、われらはどうしたらよいのですか。なんと言ったらよいのですか」。すると、彼は言われた、「ハスブナッラーフ ワニウマルワキール アラッラーヒ タワッカルナー(われらにはアッラーで十分、なんと良い管理者か。われらはアッラーに一任いたしました)と言いなさい」(アル=ティルミズィーの伝える伝承)。
『不可視界と可視界を知り尽くし給うた御方』
隠れたものも現れたものも。
『そして彼は英明にして』
彼の被造物について。
『精通し給う御方である』
物事の裏も表も。
また、イブラーヒームが彼の父アーザルに、「あなたは偶像を神々とするのか。まことに私はあなたとあなたの民が明白な迷いにあると見る」と言った時のこと。(6:74)
『彼の父アーザルに』
これは彼の渾名で、本名はターリフ(テラ)という。
『あなたは偶像を神々とするのか』
あなたはそれに仕えるのか。非難の疑問文である。
『あなたとあなたの民が』
それを祭ることによって。
『明白な』
あきらかな。
『迷いにある』
真実から(外れて)。
『・・・と言った時のこと』
思い起こせ。
この国、つまりカナンの民は星を神とし、それぞれの星のために偶像を作り、その星に近づきたいと思った者はその偶像に仕え、執り成しを頼んだ。
こうしてわれらはイブラーヒームに天と地の王国を見せた。彼が確信者になるようにと。(6:75)
『こうして』
われらが彼に父親と彼の民たちの迷誤を見せたように。『こうして』以下は挿入節。
『王国を』
王領を。
「王国(malakūt)」とは、「王領、王権(mulk)」で、強調のために文字「ターゥ(t)」が付加されている。
『見せ』
それによって彼がわれらの唯一性を知るように。
『彼が確信者になるようにと』
それについて。
彼を夜が覆うと、彼は星を目にした。彼は言った、「これが私の主である」。それからそれが沈むと、彼は言った、「私は沈むものは好まない」。(6:76)
『こうして・・・』以下の文章は挿入句で(第74節の)『言った・・・』にかかる。
『彼を夜が覆うと』
暗くなると。
『彼は星を目にした』
金星のことだと言われる。
『彼は言った』
彼は星を崇拝する彼の民に言った。
『これが私の主である』
おまえたちの主張によると。
彼(イブラーヒーム)がこの言葉を言った時期が成人前であるか後であるかについては学者の見解が分かれる。
『それが沈むと』
隠れると。
『私は沈むものは好まない』
私はそれらを主とはしない。なぜなら、主に変化や変容があってはならず、それらは生成物の特性だからである。だが、こうしたことは彼らには効をなさなかった。
『私は沈むものは好まない』これは彼の民を導き、彼らの信仰の虚偽を示すために言ったものである。あるいは、彼らをあざ笑うために言ったもので、本気で信じて言ったものではない。
イブラーヒームはニムロデ王の時代に生まれた。ニムロデは、頭に王冠をつけ、人々に自分の崇拝を命じた最初の人間である。彼には占い師と占星術師がついており、彼らは王に、「今年、あなたの国に男児が生まれる。彼はこの地の人々の宗教を変え、それはあなたの破滅となる。彼の手によってあなたの王国は滅びる」と言った。
アル=スッディーによると、ニムロデは夢で星が昇り、太陽と月の光が消えるのを見た。強い恐怖に駆られたニムロデは魔法使いと占い師を呼び、それについて尋ねた。すると、彼らは、「今年、この地方で生まれた者で、彼はあなたの破滅となる。彼の手によってあなたの王国は滅び、あなたの宗教を信奉する者たちは滅びる」と言った。そこで彼はその年にその地方で生まれた男児を殺すように命じ、女を男から離れさせるように命じ、一家にそれぞれ男女を見張る者をつけた。女に月経が訪れると、月経中には性交をもたないため彼女と夫を2人きりにし、月経が清まると、2人の間を妨げた。人の言うところによると、アーザルが戻ると、彼の妻は月経から清まったところであった。そこで彼女と関係を持ち、彼女はイブラーヒームを孕んだ。イブン・イスハークによると、ニムロデは村の妊娠中の全ての女に人を送って彼女らを監禁させたが、イブラーヒームの母は幼かったため、妊娠していることに気づかれなかった。アル=スッディーによると、ニムロデは子供の誕生を恐れ、男たちを兵役に狩り出し、妻たちから引き離した。それからしばらく後、ニムロデは町に用事ができ、その件については民のうちアーザルしか信頼していなかった。そこで彼はアーザルを呼びにやり、彼を家に来させると、言った、「私はおまえに託したい用件がある。だが、おまえをその件で遣わすのはおまえを信頼するからにほかならない。そこで、私はおまえに、妻に近づかないよう求める」。すると、アーザルは言った、「私は我が宗教に対し熱心なので、そんなことはしません」。そこで、ニムロデは彼の用件をアーザルに託し、彼は町に行き、王の用件を果たした。そこで彼は言った、「家に立ち寄って、家族の顔を見てはどうか」。彼が家に入るとイブラーヒームの母を目にし、彼は自制できず、彼女と関係を持ち、彼女はイブラーヒームを妊娠した。
イブン・アッバースによると、彼女が妊娠すると、占い師はニムロデに言った、「あなたにわれらが告げた男児の母が今夜、彼を孕んだ」。そこでニムロデは男児を殺すように命じた。イブラーヒームの母は出産が近づき、陣痛が始まると、見つかって子供が殺されることを恐れて逃げ出した。人の言うところによると、彼女は乾いた川で産み、布切れで子供を包むと、くさむらに置いた。それから戻ると夫に子供を産んだこと、どこそこに置いて来たことを告げた。父親はそこに行き、子供をそこから連れ出し、川に溝を掘り、その中に彼を隠すと獣を恐れて入り口を岩で塞いだ。そして母親はそこに通って乳を与えた。アブー・ラウクによると、イブラーヒームの母は言った、「私が彼の指を見ると、彼は一つの指から水を、一つの指から乳を、一つの指からバターを、一つの指から蜜を、また一つの指からナツメヤシを吸っていた」。
人の言うところでは、イブラーヒームが洞窟で成長すると、母に尋ねた、「私の主は誰か」。すると彼女は、「私である」と言った。「あなたの主は誰か」、「あなたの父である」。「父の主は誰か」、彼女は、「黙りなさい」と言った。そして夫の許に行くと、「この地の民の宗教を変えるとわれらが語っていた男児を目にした」と言って、イブラーヒームの言ったことを彼に告げた。そこで父のアーザルが彼の許に行くと、イブラーヒームは言った、「私の主は誰か」。そこで父は言った、「おまえの母である」。「私の母の主は誰か」、「私である」。「あなたの主は誰か」、「ニムロデである」。「ニムロデの主は誰か」、彼はイブラーヒームに平手打ちを加え、「黙れ」と言った。それから夜になると、彼は洞窟の扉に近づいて岩の隙間から星を見た。そして、「これが私の主である」と言った。一説によると、イブラーヒームは両親に、「私をここから出してください」と言い、彼らが彼を外に出すと、太陽が沈むところで、イブラーヒームはラクダと山と羊を目にし、父に、「これはなにか」と尋ねた。父は、「ラクダと山と羊だ」と言った。すると、イブラーヒームは、「これらにはこれらの主であり、創造者である神がいるはずだ」と言った。それから、木星、あるいは一説によれば金星が昇ったのでそれを見た。(・・・)
それから月が昇るのを見ると、彼は言った、「これが私の主である」。それからそれが沈むと、彼は言った、「私の主が私を導かなければ、私は迷った民のひとりとなったであろう」。(6:77)
『それから月が昇るのを』
上るのを。
『彼は言った』
彼らに。
『私の主が私を導かなければ』
私を導きの上にしっかり留め給わなければ。
『私は迷った民のひとりとなったであろう』
彼の民に対し、彼らが迷いにあることを当てこするものであるが、彼らにはそれも効をなさない。
それから太陽が昇るのを見ると、彼は言った、「これが私の主である。この方がさらに大きい」。それからそれが沈むと、彼は言った、「私の民よ、私はあなたがたが同位に崇めるものとは無縁である」。(6:78)
『これが』
(『太陽』は女性名詞であるが)これが男性形になっているのは述語(『私の主』)が男性名詞だからである。
『この方がさらに大きい』
星や月よりも。
『それからそれが沈むと』
彼らに対する論拠が強まった。だが、彼らは戻らなかった。
『あなたがたが同位に崇めるものとは』
アッラーと。偶像や天体などで。それら生成されたものは作成者を必要とする。
『無縁である』
すると、彼らは、おまえは何に仕えるのか、と言った。
「私は、私の顔を天と地を作り出し給うた御方にひたむきに向ける。私は多神崇拝者ではない」。(6:79)
『私は、私の顔を・・・向ける』
私の崇拝において志向する。
『天と地を作り出し給うた御方に』
創造し給うた御方に。つまり、アッラーに。
『ひたむきに』
正しい宗教に傾倒し。
『私は多神崇拝者ではない』
彼(アッラー)に多神を並置する者ではない。
だが、彼の民は彼に反論した。彼は言った、「あなたがたはアッラーについて私に反論するのか。彼は私を導き給うたというのに。私はあなたがたが同位に崇めるものを恐れはしない。ただ、私の主がなにかを望み給えば別である。私の主は知識においてすべてのことを包む。それなのにあなたがたは留意しないのか」。(6:80)
『彼の民は彼に反論した』
彼の宗教について彼と論争し、偶像について、もしおまえがそれを見捨てれば、それがおまえに災いをもたらすであろう、と彼を脅した。
伝承によると、イブラーヒームが成長すると、アーザルは偶像を作り、それを彼に与えて売ってくるように言った。そこで彼はそれを持って出掛け、「害をなし、益をなさないものを買う者は誰か」と呼びかけ、誰もそれを買う者はいなかった。それが彼に利益をもたらさなかったので、彼はそれを持って川に行き、その頭を水の中に打ち付けると、彼の民をあざ笑って、それに向かって「飲め」と言った。それが人々の間に広まると、彼らはイブラーヒームに反論した。
『あなたがたは・・・私に反論するのか』
あなたがたは私と論争するのか。『あなたがたは・・・私に反論するのか』は、「’a-tuhājjunnī」と文字「ヌーン(n)」を促音で読む読誦法と、促音なしに「’a-tuhājjūnī」と読む読誦法がある。文法学者たちの見解では2つの「ヌーン」のうち動詞の直説法の標識の「ヌーン」(「’a-tuhājjūna」のn)、アル=ファッラーの見解では(一人称代名詞の動詞接続形の)「増加詞」のヌーン(「’a-tuhājjūna-nī」の「-nī」の「n」)が省略される。
『アッラーについて』
その唯一性について。
『彼は私を導き給うたというのに』
至高なる御方はそこ(彼の唯一崇拝)へ。
『あなたがたが同位に崇めるものを』
彼(アッラー)に並べて。
『恐れはしない』
偶像が私に災いをもたらすことを。なぜなら、それはなにに対しても力を持たないからである。
『ただ』
しかし。
『私の主がなにかを望み給えば別である』
悪いことが私に起こるようにと。その時にはそれは起こる。
『私の主は知識においてすべてのことを包む』
彼の知識はすべてを包む。
『それなのにあなたがたは留意しないのか』
それを。そして信じないのか。
「どうして私に、あなたがたが同位に崇めるものを恐れることがあろうか。一方、あなたがたは、あなたがたに権威が下されていないものをアッラーと同位に崇めることを恐れない。両派のどちらが平安により相応しいか。もしあなたがたが知っているなら」。(6:81)
『あなたがたが同位に崇めるものを』
アッラーと。
『恐れることがあろうか』
それは害をなすことも益をなすこともないのに。
『あなたがたは・・・ことを恐れない』
あなたがたの方は。アッラーに対して。
『あなたがたに権威が下されていないものを』
根拠と明証が。一方、彼(アッラー)はすべての上に全能な御方であるというのに。
『アッラーと同位に崇める・・・』
崇拝において。
『両派のどちらが平安により相応しいか』
われらか、あなたがたか。
『もしあなたがたが知っているなら』
どちらがより正しいかを。それはわれらの方である。それゆえそれに従え。
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