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信仰し、自分の信仰に不正を混ぜない者、それらの者には平安があり、彼らは導かれた者である。(6:82)
至高なる御方は仰せられた。
この言葉はイブラーヒームが言ったものであるか、彼の民が言ったものであるか、それともアッラーが仰せられたものであるかについては学者の見解が分かれる。
『自分の信仰に不正を』
多神教を。アル =ブハーリーとムスリムの『正伝集』が解説するように。
イブン・マスウードによると、この節が啓示されると、ムスリムたちは困難を覚えて言った、「われらの誰が不正をなさないことがあるか」。するとアッラーの御使いは言われた、「これが意味するのは多神教にほかならない。ルクマーンが彼の息子に言った言葉を聞いたことがないか。『息子よ、アッラーに同位のものを置いてはならない。まことに多神教は大きな不正である』」。
『混ぜない者』
混同しない者。
『それらの者には平安があり』
懲罰からの。
このわれらの論拠は、われらがイブラーヒームにそれを彼の民に対するものとして与えた。われらはわれらの望む者を階位において高める。まことにおまえの主は英明にして全知なる御方。(6:83)
『この』
主部。『われらの論拠』はその言い換え。
『われらの論拠は』
イブラーヒームがそれでアッラーの唯一性について論証した星などの沈むことによる論拠。この述部は次の『われらが・・・与えた』。
『われらがイブラーヒームにそれを・・・与えた』
われらはそれによって彼を導いた。
『彼の民に対するものとして』
彼の民に対する論拠として。
『われらはわれらの望む者を階位において高める』
知識と英知の上で。(『われらの望む者』を)属格とする読誦法(その場合、『階位(darajātī)』は目的語で、「われらの望む者の階位を」となる)と、『階位』を「tanwīn(不定名詞表示語尾撥音)」を付して読む読誦法(その場合、『われらの望む者』が目的語で、『階位(darajātin)』は、「階位において(fī darajātin)」という意味になる)がある。
『まことにおまえの主は英明にして』
彼の御業において。
『全知なる御方』
彼の被造物について。
そしてわれらは彼にイスハークとヤゥクーブを授けた。両者をわれらは導いた。また、ヌーフを以前に導いた。そして、彼の子孫にはダーウード、スライマーン、アイユーブ、ユースフ、ムーサー、ハールーンがいる。こうしてわれらは善を尽くす者たちに報いる。(6:84)
『ヤゥクーブを』
彼(イスハーク)の息子を。
『両者を』
その2人の。
『ヌーフを以前に導いた』
イブラーヒーム以前に。
『彼の子孫には』
ヌーフの子孫には。
『スライマーン』
彼(ダーウード)の息子。
『ユースフ』
ヤゥクーブの息子。
『こうして』
われらが彼らに報いたように。
また、ザカリーヤ、ヤフヤー、イーサー、イルヤース。みな正しい者たちである。(6:85)
『ヤフヤー』
彼(ザカリーヤ)の息子。
『イーサー』
マルヤムの息子。子孫は息子と娘を含む。
彼には父がいないので、母によってヌーフにつながっている。
『イルヤース』
ムーサーの兄弟ハールーンの兄弟の息子(子孫)。
ハールーンの子孫とも言われる(ハールーンの子アイザールの子ファンハースの子ヤースィーンの子イルヤース)。
『みな』
彼らの。
また、イスマーイール、アル=ヤサア、ユーヌス、そして、ルート。そして、みなをわれらは諸世界のものよりも優遇した。(6:86)
『イスマーイール』
イブラーヒームの息子。
『アル=ヤサア』
定冠詞「アル=」は虚字。
『ルート』
イブラーヒームの兄弟ハーラーンの息子。
『みなを』
彼らのうち。
『われらは諸世界のものよりも優遇した』
預言者性によって。
また、彼らの父祖と子孫と兄弟の中からわれらは彼らを選りすぐり、真っすぐな道に導いた。(6:87)
『彼らの父祖と子孫と兄弟の中から』
前(第86)節の『みなを』、あるいは第86節の『ヌーフを』にかかる。『・・・の中から(min)』の前置詞「min」は部分を表す。というのは、彼らの一部には子供がなかったし、一部の子供は不信仰者であったからである。
『彼らを選りすぐり』
選別し。
これがアッラーの導きで、彼は彼のしもべのうち御望みの者をそれによって導き給う。もし彼らが多神を崇めれば、彼らのなしたことは彼らにとって台無しとなる。(6:88)
『これが』
彼らがそこに導かれた宗教が。
『もし彼らが多神を崇めれば』
仮定すれば。
これらの者は、われらが啓典と知恵と預言を授けた者たちである。これらの者がそれを拒絶するなら、われらはそれを拒絶しない民にすでに委ねているのである。(6:89)
『われらが啓典と』
諸々の啓典と。
『知恵と』
英知と。
『これらの者が』
マッカの住民が。
『それを拒絶するなら』
この3つを。
『それを拒絶しない民に』
それはムハージルーン(マッカからマディーナにヒジュラをした者)とアンサール(ヒジュラをした者を助けたマディーナの住民)である。
『すでに委ねているのである』
そのために準備している。
これらの者はアッラーが導き給うた者である。それゆえ彼らの導き、それに倣え。言え、「私はそれに対しておまえたちに報酬は求めない。これは諸世界への訓戒にほかならない」。(6:90)
『アッラーが導き給うた者』
彼らを。
『彼らの導き』
唯一神信仰と忍耐という彼らの道。
『それに倣え』
「iqtadi-h」の文字「ハーゥ(h)」は休止の時も続けて読む時も無母音。続けて読む時には省略する読誦法もある。
『言え』
マッカの住民に。
『それに対して』
クルアーンに対して。
『報酬は求めない』
おまえたちが報酬をくれるようにとは。
『これは』
クルアーンは。
『諸世界への』
人間とジンへの。
『訓戒にほかならない』
訓示にほかならない。
彼らはアッラーに捧げるべき称賛を捧げず、「アッラーは人間にはなにも下し給わなかった」と言った。言え、「ムーサーが携えて来た啓典を光として、また人々へ導きとして下し給うたのは誰か」。彼らはそれを羊皮紙にしたため、それを明示し、また、多くを隠す。「おまえたちは、おまえたちもおまえたちの父祖も知らなかったことを教えられたというのに」。言え、「アッラーである」。それゆえ、彼らが詭弁を弄するままに放置せよ。(6:91)
ハフス&アースィム版:彼らはアッラーに捧げるべき称賛を捧げず、「アッラーは人間にはなにも下し給わなかった」と言った。言え、「ムーサーが携えて来た啓典を光として、また人々へ導きとして下し給うたのは誰か。おまえたちはそれを羊皮紙にしたため、それを明示し、また、多くを隠す。おまえたちは、おまえたちもおまえたちの父祖も知らなかったことを教えられたというのに」。言え、「アッラーである」。それゆえ、彼らが詭弁を弄するままに放置せよ。(6:91)
『彼らは』
ユダヤ教徒は。
『アッラーに捧げるべき称賛を捧げず』
彼の偉大さにふさわしい崇敬を捧げず。あるいは、彼に相応しい認識をもって彼を知らず。
『言った』
預言者に。彼らはクルアーンについて彼に反論していたのである。
『言え』
彼らに。
『彼らはそれを羊皮紙にしたため、それを明示し、また、多くを隠す』
3つの動詞において三人称複数の接頭辞「ヤーゥ(y)」で読む読誦法と、二人称複数の接頭辞「ターゥ(t)」で読む読誦法がある(つまり、それぞれ、「yaj‘alūna-huそれを・・・したため」)、または「taj‘alūna-hu(おまえたちはそれを・・・したため)」。「yubdūna(彼らはそれを明示し)」、または二人称複数の接頭辞「ターゥ(t)」で「tubdūna(おまえたちはそれを明示し)」。『隠す』は、三人称複数の接頭辞「ヤーゥ(y)」で「yukhfūna(彼らは隠す)」、または二人称複数の接頭辞「ターゥ(t)」で「tukhfūna(おまえたちは隠す)」となる)(監訳者注:ハフス&アースィム版では、後者の読誦法を採る)。
『羊皮紙にしたため』
彼らはばらばらの紙に書き留めた。
そのようにしたのは、隠そうと望んだ部分を隠すことが可能だからである。それに対し、もし一冊にすべてがまとめられていれば、ほかの者がその中の内容を見る可能性があった。
『それを明示し』
そのうち明示を望んだものについては。
『多くを隠す』
その中にはムハンマドの特徴描写がある。
『おまえたちは・・・教えられたというのに』
ユダヤ教徒よ。クルアーンの中で。
『おまえたちもおまえたちの父祖も知らなかったことを』
おまえたちにとって曖昧なことや、見解が分かれたことが解明されたことによって律法について。
『言え、「アッラーである」』
彼がそれを啓示し給うたのである。彼らがそう答えなくても、答えはそれ以外にない。
『詭弁を』
虚言を。
これはわれらが下した祝福された啓典で、それ以前のものの真実性を証しするものであり、それはおまえが諸都市の母とその周辺に警告するためである。来世を信じる者たちはそれを信じる。そして、彼らは礼拝を守る者たちである。(6:92)
『これは』
クルアーンは。
『それ以前のものの』
それ以前の啓典の。
『それはおまえが・・・警告するためである』
その前の意味に接続する。つまり、われらはそれを祝福と実証のため、またおまえがそれで警告するために下した。『おまえが・・・警告するため』は、二人称複数の接頭辞「ターゥ(t)」で「 wa li-tundhira(おまえが・・・警告するため)」と読む読誦法と三人称複数の接頭辞「ヤーゥ(y)」で「wa li-yundhira(それが・・・警告するため)」と読む読誦法がある(前者の場合には使徒、後者の場合はクルアーンを意味する)。
『諸都市の母とその周辺に』
つまり、マッカの住民とそれ以外のすべての人々に。
『彼らは礼拝を守る者たちである』
その(来世の)懲罰を恐れて。
アッラーについて虚偽を捏造するか、なにも啓示されていないのに、「私に啓示があった」と言う者以上に不正な者が誰かあろうか。また、「アッラーが下し給うたものと同じものを私は下してみせる」と言う者。もしおまえが、不正な者たちが死の苦しみの中にあり、天使たちが「おまえたちの魂を出せ」と両手を広げるのを見るならば。「今日、おまえたちは、おまえたちがアッラーについて真実でないことを言い、彼の御印に対して高慢であったがゆえに屈辱の懲罰の報いを受ける」。(6:93)
『アッラーについて虚偽を捏造する』
預言者性を自称しながら、預言をしない。
『なにも啓示されていないのに、「私に啓示があった」と言う者』
この節は偽預言者ムサイリマについて下された。
『・・・以上に不正な者が誰かあろうか』
誰もいない。
『また、「アッラーが下し給うたものと同じものを私は下してみせる」と言う者』
以上に(不正な者が誰かあろうか)。彼らは笑いものにし、「もしわれらが望めば、このようなものをわれらも言ってみせた」と言った。
『おまえが』
ムハンマドよ。
『不正な者たちが』
言及したような。
『死の苦しみの中にあり』
断末魔の。
『天使たちが・・・両手を広げる』
彼らに向かって。打ち、責めながら。
『「おまえたちの魂を出せ」と』
彼ら(天使たち)は彼らに向かって、非難を込めて言う。われらがそれを取り上げるよう、われらに(差し出せ)。
『見るならば』
「おまえは恐ろしいものを目にしたであろう」という帰結節が省略されている。
『おまえたちがアッラーについて真実でないことを言い』
預言者であり啓示があると詐称したゆえに。
『彼の印に対して高慢であったがゆえに』
思い上がり、それを信仰することを拒んだがゆえに。
『屈辱の懲罰』
卑しめの。
また、おまえたちは、最初にわれらが創ったように単独でわれらの許にやって来たのであり、われらがおまえたちに与えたものを背後に残して来た。また、われらは、おまえたちがおまえたちにおいて共同者であると言い張っていたおまえたちの仲裁者たちがおまえたちと共にいないのを見る。おまえたちの間は断たれ、おまえたちが言い張っていたものはおまえたちから消え去った。(6:94)
ハフス&アースィム版 :また、おまえたちは、最初にわれらが創ったように単独でわれらの許にやって来たのであり、われらがおまえたちに与えたものを背後に残して来た。また、われらは、おまえたちがおまえたちにおいて共同者であると言い張っていたおまえたちの仲裁者たちがおまえたちと共にいないのを見る。おまえたちの間で断たれ、おまえたちが言い張っていたものはおまえたちから消え去った。(6:94)
『また』
彼らは、甦りの際に言われる。
『単独で』
ひとりで。家族も財産も、子供もなく。
『最初にわれらが創ったように』
裸で、裸足で、割礼のない状態で。
『われらがおまえたちに与えたものを』
われらがおまえたちに与えた財産を。
『背後に残して来た』
現世に。おまえたちの選択の余地なく。
『また』
非難を込めて彼らは言われる。
『おまえたちにおいて』
おまえたちの崇拝の正当性において。
『共同者』
アッラーの。
『おまえたちの仲裁者たちが』
偶像が。
『おまえたちの間は断たれ』
おまえたちの関係は絶たれ。つまり、おまえたちの結束はばらばらになり。「おまえたちの間(bainu-kum)」は副詞の対格で母音「a」で読む読誦法(baina-kum)もある。つまり、おまえたちの間で、関係が絶たれ(監訳者注:ハフス&アースィム版では後者の読誦法を採る)。
『おまえたちが言い張っていたものは』
現世で、それらの執り成しについて。
『消え去った』
立ち去った。
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