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ムスリムの家族―預言者がどのように家族の教育を行ったか―


預言者の家族の生活を支えた5つの基本

第1の基本: アッラーとその使徒への完全なる信仰を植え付けること。
第2の基本: 知識を家庭の栄養源に、イバーダ(崇拝行為)をその囲いに、布教をその結果とする。
第3の基本: 男性が一家の大黒柱となり、女性がそれを支える。
第4の基本: 親しみと愛情をもって親切にすること。
第5の基本: 怒り、あるいは矯正はアッラーから禁じられたことを犯したときに。

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第1の基本: アッラーとその使徒への完全なる信仰を植え付けること

主であること・神であること・その数多くある名前と特質を含めてアッラーへの信仰は強固な力です。ですから家族のそれぞれの心にこの信仰心が植え付けられた時には驚くべき結果が心にもたらされます。

アルアンファール章65節『使徒よ、戦いの時は信者を激励しなさい。あなたがたの中、20人の信仰の固い者がいれば、よく200人を征服するであろう。あなたがたの中、もし100人いるならば、よく1000人の不信人者を征服するであろう。というのはかれらが、道理を解しない人々であるため。』

これらのことは感覚的・意味的・啓示によって・また歴史的・現実においても証明された科学的事実なのであえてその証拠についてはここではお話しません。
ここで、最大の質問へと場を移しましょう。

ムハンマド(アッラーよ、彼に祝福と平安を与えたまえ)はどのようにして妻たちの心に完全な信仰心を植え付けたのでしょうか?

その方法とは大まかにわけると3つあります。

1、アルクルアーン
  毎日読誦されること
  ゆっくりと意味を理解しながら読むこと
  クルアーンの偉大さのもとに家族を教育すること

2、自然、あるいはシャリーアの奇跡の利用
時に起こる現象についてアッラーの偉大さを思い出させる。

ハディース「アーイシャによると、預言者は雲を空に見つけると、行ったり来たり、出たり入ったりと落ち着きが無くなりました。そして顔色が変わったものでした。そして雨が降ると彼はそこで初めて喜んだのです。それを見た私に預言者は言いました。クルアーンに述べられている民族のようになるかもしれないと思ったからです。『その時、黒雲がそれぞれの谷に押し寄せて来るのを見て人々は言った。「この雲では、一雨来るぞ。」すると(声があった)。「いや、それはあなたがたが催促するもの。それに伴う風こそは痛ましい懲罰である」と。』

アーイシャの伝えるところによると彼女は言いました。預言者が私のもとにやってきた(部屋に)時に私は絵が描かれている布を壁にかざっていました。それを見た預言者はそれを引き剥がし、彼の顔色は変わりました。そして言いました。「アーイシャよ、審判の日にアッラーの下で最も厳しい罰を受けるのは、アッラーの創造物に似せることです。」アーイシャは言いました。「私はそれを切って、枕(クッション)にしました。」

3、現世に対する関心を弱くし来世に対する関心を強くする
この偉大な事実には信仰心の根を深く張らせるためにとても大きな影響を与えます。またそれによって多神教崇拝(アッラーと他を同等にすること)・見栄・現世欲などを取り除いてくれます。

また宗教を、そのために犠牲となることを好む心を植え付けること。またアッラーにお任せし、彼を信頼すること。
預言者イブラーヒームが妻と息子イスマーイールをマッカに置き去りにした時の彼の状況。
またアッサーッファート章102節「(この子が)かれと共に働く年頃になった時、かれは言った。「息子よ、わたしはあなたを犠牲に捧げる夢をみました。さあ、あなたはどう考えるのですか。」かれは(答えて)言った。「父よ、あなたが命じられたようにしてください。もしアッラーがお望みならば、わたしが耐え忍ぶことがお分かりでしょう。」といって父に従順であったイスマーイールの例。

預言者の価値を偉大化させることと彼への服従の義務と彼への反抗の禁止

ハディース「ある時アブーバクルとウマルの二人の最も善い人(そのように呼ばれていた)が大声をあげていました。そのときバニータミーム者たちがやってきた時、一人はアクラウ ブン ハービスを指しもう片方は他の人をさしました。するとアブーバクルはウマルに「あなたは私に反対した。」と言い、二人の声は大きくなりました。すると啓示が下り、(アルフジュラート章2節『信仰する者よ、あなたがたの声を預言者の声よりも高く上げてはならない。またあなたがたが互いに声高に話す時のように、かれに大声で(話して)はならない。あなたがたの気付かないうちに、自分の行いを虚しくしないために』)
イブヌッズバイルは言いました:この節が下ったあと、ウマルは預言者に大声を聞かせることはなかった」


第2の基本: 知識を家庭の栄養源に、イバーダ(崇拝行為)をその囲いに、布教をその結果とする。

真実を照らす灯台に学者たちが集まるところにそしてこの共同体の強い柵の硬いレンガの上に1つになりたい家庭は次の特徴を身につけなければならない。
1− 真実を照らし、迷いから守ってくれる知識
2− 心を創造主へと導くイバーダ
3− 布教

ここでの知識とは人間に役立つアッラーがそれを許可した知識です。
最初の啓示はアルアラク章1−5節『読め、「創造なされる御方、あなたの主の御名において。一凝血から、人間を創られた。」読め、「あなたの主は、最高の尊貴であられ、筆によって(書くことを)教えられた御方。人間に未知なることを教えられた御方である。』でした。この件に関して、どのように預言者が細心の注意を払っていたか、例を挙げてみてみましょう。

ジュワイリーヤは伝えている
預言者は、朝、彼女の家から出て行かれた。その時彼女は、家にある礼拝場所で早朝礼拝を行っていた。預言者は午後帰ってきたが、彼女はまだその場所に座っていた。預言者は彼女に「私が出かけたときからずっと同じように座っていたのか」とたずね、彼女が「そうです」と答えると次のように言われた。「私はここを出たあと四つの言葉をそれぞれ三回唱えたが、あさからあなたが唱えていた言葉とどちらがよりよいのか比較してみなさい。それは《アッラーこそ讃美し、賞讃すべき御方であられる。それは創造物の数多さゆえであり、玉座の威厳の故であり、また、御言葉の記録につかわれるインクの故である》という言葉です。

上述のことから行動に移す前にまずそれに関する知識を得なければならないということがあげられますがムスリムの家族はイバーダ(崇拝行為)・布教・教育においてまず知識をえることから始めます。


第3の基本: 男性が一家の大黒柱となり、女性がそれを支えるということ

預言者の人生とそこにおける家族関係がこの言葉の上になりたっていたにもかかわらず、現在のムスリム家族ではこれがなりたっていなかったり、あるいはその使われている意味が間違っていたりしています。この基本はこれによってこそ家庭が安定し、幸福になるものです。

アンニサーウ章『男は女の擁護者(家長)である。それはアッラーが、一方を他よりも強くなされ、かれらが自分の財産から(扶養するため)、経費を出すためである。それで貞節な女は従順に、アッラーの守護の下に(夫の)不在中を守る。』

カウワーマ(擁護者・家長)とはつまり、「アルマアルーフによって夫の言うことを聞く義務」です。

アルマアルーフとは、人々の間に知られている、親しみと愛情を育むために義務付けられている人格あるいは礼儀作法のことです。逆にこれらのことを行わないことによって人間関係に亀裂が入るのです。

アンニサーウ章34節『男は女の擁護者(家長)である。それはアッラーが、一方を他よりも強くなされ、かれらが自分の財産から(扶養するため)、経費を出すためである。それで貞節な女は従順に、アッラーの守護の下に(夫の)不在中を守る。あなたがたが、不忠実、不行跡の心配のある女たちには諭し、それでも効き目が無ければこれを打て。それで言うことを聞くようならばかの女に対して(それ以上の)ことをしてはならない。』

イブンタイミーヤは次のように言いました。
女性の夫への義務は一緒に旅行することを含めたあらゆる面において求められます。

アルバカラ章228節『女は公平な状態のもとに、彼らに対して対等の権利をもつ。だが男は女よりも一段上である。』アン二サーウ章19節『できるだけなかよくかの女らと暮らしなさい。』

イブン タイミーヤは仲良く暮らすということに関して、それはその社会の人々に知られている状態を指す、と言いました。

アブーフライラによると、彼は言いました。
預言者が「どの女性が最も善い女性ですか?」と尋ねられると、彼は言いました。「もし彼女を見たらその者を喜ばせ、もし命令したらそれに従い、彼女自身と財産において、あなたが嫌うことをしない女性です。」

ウマルは人々に次のように説教しました。
しもべにとって、アッラーへの信仰をもった後は、人格のよい、愛情深い、子供をたくさん生む女性以上にすばらしいことはないでしょう。またしもべはアッラーへの不信仰後、口の悪い、性格の悪い女性以上に悪いことはないでしょう。


第4の基本: 親しみと愛情をもって接すること

アーイシャによるとある時ユダヤ教徒の一行が預言者に許可を求めて言いました。「あなた方の上に毒がありますように」すると彼女は「あなた方の上に毒と呪いがありますように」と返しました。すると預言者はつぎのように言いました。「アーイシャ、なんですか!アッラーは悪いことと互いに悪さをすることを好みません。アッラーはすべてのことにおいて親切を好みます」

預言者は言いました。「アッラーは親切なお方なので親切を好まれる。そして厳しさには与えないことを親切にはあたえる。また親切以外には与えられないことを与える。」

預言者は言いました。「親切を与えられないものは善いことを禁じられる」

アナスによると、彼は言いました。「預言者が数人の妻たちのもとにいたときある妻が食べ物ののった皿を送ってきました。すると預言者のもとにいた妻が使用人の手をたたき、皿が落ち、ばらばらになってしまいました。すると預言者はそれを集め、それから皿にあった食べ物を「貴方たちの母(預言者の妻)は焼き餅を焼いてしまった…」と言いながら集め出しました。

アーイシャによると、彼女は言いました。
私たちは時々預言者の旅についていきました。ある時私たちが兵士たちとともに砂漠にいた時私のネックレスが切れてしまいました。すると預言者は立ち上がり、そのネックレスを探し始めました。その時水が不足していたにもかかわらず、人びとも預言者を手伝っていました。するとわたしが預言者に膝枕をしていたときに、アブーバクルがやって来て言いました。「水が無かったにもかかわらず、預言者と人びとを留まらせたのか」そして彼は私を非難し私のわき腹をつつきました。」


第5の基本: 怒り、あるいは矯正はアッラーから禁じられたことを犯したときに

アーイシャの伝えるところによると彼女は言いました。預言者が私のもとにやってきた(部屋に)時に私は絵が描かれている布を壁にかざっていました。それを見た預言者はそれを引き剥がし、彼の顔色は変わりました。そして言いました。「アーイシャよ、審判の日にアッラーの下で最も厳しい罰を受けるのは、アッラーの創造物に似せることです。」アーイシャは言いました。「私はそれを切って、枕(クッション)にしました。」

アーイシャは言いました。
私は預言者に言いました。「サフィーヤは背が低いじゃないですか!」すると預言者は言いました。「もしそれが海に落ちたら広まってしまった言葉をあなたは口にしました。」

アーイシャは言いました。
預言者は自分自身にされたことで怒ることはありませんでした。彼が怒るときはアッラーが禁じたことが破られたときだけ、アッラーの道のために怒りました。

何時まで怒るのか?

怒りの原因となったことがなくなるまで。それが取り除かれたときは満足し、何事も無かったようにふるまう。躾のため…という名目で長期にわたって叱ることは預言者の教えから来るものではありません。

家族に対して、特に子供たちに対して凡ての善いことを与えるよう努力すること。
自分の宗教をきちんと知り、アッラーを崇拝し、信仰を誇りに思うムスリムの新しい世代を築くことへの関心。またそれが日本のムスリム社会の発展の中核となること。またそれらの者たちが、崇高な人格と徳を持つこと。
それは彼の子孫が幸福になり、現世での幸福な人生を生きるためで、来世では天国を勝ち取るためである。信者はもし家族と子供たちをイスラームと信仰への愛の上に育てたならば彼らはかれとともに天国にいることになる。
  アッラアド章23節『かれらは、その祖先と配偶者と子孫の中の善行に励む者と一緒に、アドン(エデン)の園に入るであろう。そして天使たちも各々の門からかれらの許に入るであろう』。
アットゥール章『信仰する者たち、またかれらに従った信心深い子孫の者たち、われはそれらのものを(楽園において一緒にする)』

 



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2004年 アラブ イスラーム学院