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やはり、アテネでの部屋探しは難しい。私が新聞で探して電話をかけても、英語
は通じない。そして、英語で話しかけると切られる。次にギリシャ語で言おうと
努力するが、外国人だと思うとやっぱり直ぐに切ってしまう。こんな調子。
プラカにある毛皮屋さんで、母が買い物をした時、母がここのオーナーに「ユカ
リがもし何か困ったとき、助けてあげてね」と頼んでくれていたので、ここに向
かった。ここで部屋探しの事を言うと「フォティミ。ユカリの部屋探し助けてあ
げてくれないか?女同士のほうが、ユカリも楽だろう」と言って紹介してくれた
のが、イラン出身でやはりギリシャに来て5年という女性フォティミ。
初対面の私は、まだ、ギリシャ語も話せないので片言のギリシャ語で部屋探しを
手伝ってくれるのかと尋ねると、「当たり前じゃない」。そういって、近くに居
た男性に「ねえ、新聞買ってきて、今日発行だったよね。部屋探しだからね」と
新聞を買いにいかせてくれた。
そして、このお店は11時まで開いているので「ユカリ、私はまだ仕事があるか
ら、11時にここに来て。それから、この欄が家具付の部屋だから、気に入った
のがあったら丸付けておいて」と。早速近くのカフェに入って、新聞と格闘。こ
このウエイターのお兄ちゃんが、場所なんかを地図で教えてくれて、取り合えず
いくつかめどをつけて、夜11時にお店に行くと「今から、ユカリが気に入りそ
うなところに電話するね」。(こんな時間に電話まずくない?)
「この時間ならまだ早いよ。全然大丈夫」。(私ね、治安のいいところがいい
の。それから車を持っていないからなるべく交通手段が簡単なところ。)
すると「治安がいい事が一番なら、山と海どっちが好き?」。(海)
じゃあ、グリファダか、ピレウス、ブーラ、と地図を見ると遠い。ねえ、これ凄
く遠いよ。すると「大丈夫バスがいっぱいあるし、バシリスもあの辺にすんでい
るから便利だよ」。バシリスとは、ここのオーナーの事。(なら平気だね。)
そして、電話を10件以上かけてくれた。この時直ぐに見に来てくれという大家
さんがいて、フォティミは「彼のバイクで見に行って」。(私バイク乗った事無
いよ……)。「大丈夫、後ろに乗るだけだから」。
バイクにまたがろうとしたが、足が届かない。フォティミが笑いながら、「ユカ
リ、私が支えてあげる」。めっそうも無い。駄目、なんか箱か何かにのってから
乗る。すると「駄目、私に捕まって乗って」。それじゃあ、ごめんね私重いの
よ。そして、彼(名前も知らない)の後ろに乗ってグリファダまで……。
そして部屋を見て「2、3日中に結論を出す」と大家さんに伝えて、またお店に
戻る。既に12時を回っているのにいやな顔ひとつせず待っていてくれた。
「ごめんね、フォティミ。さっき重かったでしょ。私は、体重言えないぐらい重
いよ」。すると「私より軽いよ」と笑ってくれた。そして、この日はみんなで食
事をして解散。
翌日朝7時ごろホテルの電話が鳴った。「ゆかり、今ホテルに着いたよ。あれか
ら他の新聞見たらいいのが載ってたの。そこに電話かけよう」。部屋の間取りを
教えてくれる。やはりグリファダで、結構広い。そして、彼女が電話で詳しい場
所、そして今夜見に行くと伝えて見に行く事に。この日は彼女が一緒に付いてき
てくれる。うれしい。
そして「夜9時に今日の仕事は終わるから9時にお店で」と約束して、9時前に
お店に着くと、「ゆかり、フォティミはよくやってくれるだろう。彼女もギリ
シャに来たときは苦労していたから、ユカリの立場がよくわかっているし、ゆか
りは彼女以上に大変だってフォティミはわかっているから。今度、3人で食事を
しような」と言ってフォティミがとっても助けてくれる事の訳をバシリスなりに
解釈して言ってくれる。
そして、この日見に行った部屋に決める事にすると「ゆかり、6か月分まとめて
払えるよね」と言う。ウン大丈夫。「じゃあ、まけさせるから待ってて」。
そして、彼女は半年分を5か月分の家賃で一括払いとしてくれた。頼りがいのあ
る女性だ。私より10歳は若いのに私を助けてくれる彼女はお姉さんのように頼
りがいがある。
そして、契約は明日、と約束してこの日は別れた。
契約当日、彼女は私とやっぱり同行してくれて契約書をよく読んで、「大丈夫。
ここにサインして。これが鍵、それから管理費だけど、こんな紙が来たら管理人
に払ってね」。判った。どうも有り難う、と無事契約を終わらせてくれた。「ゆ
かり、明日は1週間分の食料を買わないとあさってからお店休みだからね」と教
えてくれて、無事この後の1週間も食事に困ることなく過ごす事が出来た。
これがフォティミと出会ってからの数日間だ。
筆者:高橋ゆかり
アラブ イスラーム学院 学生
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