アラブとの架け橋
 

【愛・地球博訪問記 最終回】

愛・地球博


人と自然の調和あるエコ・コミュニティーの構築

(グローバル・コモン6)

愛・地球博訪問記はいよいよ最終回をむかえることができました。サウジアラビア館のあるグローバル・コモン1から始まって、グローバル・コモン6まで、ぐるりと一周してきたことになります。ここでは東南アジアのイスラム教国についてご紹介しましょう。

【インドネシア館】

           

入口風景
入口風景


インドネシア館のテーマは「人と自然の一体化 ― 調和あるエコ・コミュニティーの構築」です。インドネシアの地形は5つの大きい島と小さい島々が集まった30の群島より構成され、島の数は合計で17508にも達しています。国土の殆どが山岳地帯で400の火山があり、その内の100が活火山です。自然豊かな島々の周囲は太平洋とインド洋の美しい海に取り囲まれており、インドネシアは観賞魚の産地として世界的に有名です。

インドネシアの水中世界をイメージした展示コーナー。海水と淡水のアクアリウム。
インドネシアの水中世界をイメージした展示コーナー。海水と淡水のアクアリウム。


インドネシアの気候は高温多湿の熱帯雨林気候です。館内にはバイオダイバーシティ・コリドーというインドネシアの熱帯雨林のジャングルをイメージした展示コーナーがあります。ここでは野生動物や珍しい植物が紹介されています。

ジャングルの再現。熱帯雨林に生息する鳥の声が聞こえてきます。赤い大きな花はラフレシアという名の世界最大の花です。インドネシアの国花でもあります。
ジャングルの再現。熱帯雨林に生息する鳥の声が聞こえてきます。赤い大きな花はラフレシアという名の世界最大の花です。インドネシアの国花でもあります。


さらに中に進むと、マルチメディアコーナーがあり、オーディオビジュアル機材でインドネシアの自然や文化の紹介が行われています。と、同時にインドネシアは多種多様で貴重な動植物を保護するため、国土の10%に相当する1870万ヘクタールを保護地域に指定しています。その他、エコ・コミュニティーへの取り組みに関することがいろいろと学べます。

インドネシアの自然や文化紹介が行われています。
インドネシアの自然や文化紹介が行われています。


午後3時頃、ジャワ島の民族舞踊が披露されました。

ジャワ島の民族舞踊
ジャワ島の民族舞踊


そして、「インドネシアン・マーケット」には環境に配慮したインドネシア企業の製品(衣類や玩具)や美術工芸品がならんでおり、室内装飾品、宝石類の販売が行われています。ショッピングも十分楽しめますよ。

500もの多種多様な種族、言語、文化が存在し、インドネシアという一つの国を形成しています。この館では、人間と自然が共存していくために多くの努力がなされていることがよく理解できました。
インドネシア共和国デーは8月17日です。

【マレーシア館】

入口風景
入口風景


マレーシア館のコンセプトは「本当の自然・無限の調和」です。マレーシアは様々な民族や文化が融合した国です。このパビリオンでは、さらなる発展をめざす現代のマレーシアが豊かな自然と共存するためにどんな取り組みをしているかを学ぶことができます。

入口を入ると、マレーシアの世界遺産であるグヌン・ムル国立公園の洞窟群をイメージした光景が目に入ります。

神秘的な洞窟群をイメージ
神秘的な洞窟群をイメージ


さらに奥に進むと、美しい海の中に潜り込んだような気持ちになる映像が見られます。

熱帯雨林の森林の雄大さと美しい珊瑚礁の海の映像。   海中に生息する生物たち。
熱帯雨林の森林の雄大さと美しい珊瑚礁の海の映像。   海中に生息する生物たち。


次にバイオテック・マレーシアのコーナーでは環境に優しい素材の研究への取り組みが紹介されています。

バイオテクノロジー(生命工学)への取り組み。
バイオテクノロジー(生命工学)への取り組み。


緑のシンフォニーというコーナーではマレーシアの文化や自然を紹介し、自然と調和した都市づくりをめざす現代マレーシアの姿を知ることができます。

緑あふれるマレーシア。
緑あふれるマレーシア。

マレーシアデーは8月31日です。

【ブルネイ・ダルサラーム館】

入口風景
入口風景


ブルネイ・ダルサラーム館は「熱帯雨林、そして資源の宝庫」をイメージした展示がされています。ブルネイはボルネオ島(カリマンタン島)北西部にあり、高温多湿の熱帯海洋性気候であるため、国土の8割が熱帯雨林で占められています。

熱帯雨林に生きる動植物の紹介。
熱帯雨林に生きる動植物の紹介。


ブルネイの文化や生活を紹介しているコーナーです。

ブルネイの人々の約7割がムスリムです。   水上集落。カンポンアイール
ブルネイの人々の約7割がムスリムです。   水上集落。カンポンアイール


この国は石油と天然ガスが産出されていることで知られています。アジアの中でも日本は長年にわたり、最大の貿易相手国となっています。そして、他のアジア諸国との関係維持、強化にも努め、1984年にはASEANの加盟国となりました。以降、外交政策としてASEANの結束に力を注ぎ、2001年11月には議長国として、ASEAN首脳会議を開催しました。

ブルネイと日本との強いつながり
ブルネイと日本との強いつながり

ブルネイ・ダルサラーム国デーは5月18日です。


― 愛・地球博を訪れてみて思ったこと ―


日本で35年ぶりに開催される国際博覧会ということで、話題になった愛・地球博。期待と不安の入り混じった気持ちを抱いてゲートをくぐりました。開催されて日も浅かったので、情報が少なく戸惑ったこともありましたが、結果的には「行ってみて良かった」と思ったことです。

一日あれば十分見て回れるだろうと、甘く考えてはいけません。全然時間がたりませんでした。コーカサス共同館や南北アメリカ、ヨーロッパ諸国のパビリオン、企業パビリオン等、見たくてもゆっくり見ることができず、また整理券も手に入らず、遠く名古屋まで足を運んだのに見ることができなかったのは、やはり心残りです。

この訪問記を書いていて、もっとよく見ておけば良かったと何度後悔したことでしょう。そして、訪問記には載らなかったけど見ごたえのあるパビリオンがたくさんありました。パキスタン館(パキスタン・イスラム共和国デーは8月11日)、バングラデシュ館(バングラデシュ人民共和国デーは6月9日)、中央アジア共同館その他いろいろです。特に、中央アジア共同館では多彩な民族の文化、この地域で産出される鉱産物、農産物の展示を見ることができ、アジアは本当に豊かな国なのだと再確認できました。
 
今まで10回に分けて愛・地球博に参加しているアジアやアラブ、アフリカ諸国をご紹介してしきまた。紹介した国々は一部にすぎません。もっと多くの国々が参加しています。世界の国々が一同に集まり文化・芸術、技術が見られるのはいい機会です。一度、見てみるのもいいかと思います。一人より、二人、家族や友達と一緒に各パビリオンを論評しながら見て廻るのも面白いし、また、そうすることで、この訪問記とは全く違った感想を持つ方もいらっしゃるでしょう。
   
この「愛・地球博」は何か楽しんでやろうという気持ちがあれば、意外とおもしろく過ごせるものではないでしょうか。自然と人間の共存の難しさと、太古の昔からその困難に挑んできた人間の努力を目の当たりにし、やはり人間はすごいなと素直に感動しました。そして、自分を振り返るいい機会にもなりました。

私の住んでいる横浜市は2005年4月から家庭ごみの分別が以前より細かくなりました。最初は嫌で仕方なかったのですが、やってみるとこれがおもしろいのです。プラスティックごみや古紙、古着等は決められた日に別々に出して、リサイクルやリユースし、資源をできる限り再利用に回すようにする、そうすると今までの家庭ごみの量が驚くほど減ってしまいました。環境に負担がかかるものは、作らない、買わない、使わない。しかし、人間が生活していくためにどうしても必要ならば、再利用しよう、限りある資源を大切にしようと思いました。この愛・地球博をきっかけに、みんながどのように変わっていけるかが、今後の“鍵”になるような気がします。

最後になりましたが、やはりなんといっても、イスラーム世界の広さに驚嘆しました。アジア、アフリカ、ヨーロッパにひろがり、多くの種族や部族がイスラームの教えと共に生きていることを実感しました。本当に、いろんな国の方々に出会えてよかったです。

遠い国からはるばるこの愛・地球博に来てくださったスタッフに心から感謝します。僅かな時間でしたが、皆さんに出会えて本当に良かった。

サウジアラビア館で見たクルアーンの1節が心に深く響いてきます。

(ひとりの男と女からあなたがたをつくり、種族と部族に分けた。これはあなたがたを互いに知り合うようにさせるためである。)


ところで、皆さん。サウジアラビア王国デーは9月9日です。いかがですか?後期アラビア語クラスが始まる前に、出かけてみるのもいいかもしれませんね。私も、また行って見たくなりました。




山本ゆみ
アラブ イスラーム学院卒業生

                

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