アラブ案内
 

【日本とアラブの交流 5】
〜第二次大戦後−4〜

ファイサル国王と昭和天皇皇后両陛下。
ファイサル国王と昭和天皇皇后両陛下。
多忙な日程の中、代々木上原の回教寺院で祈られた。
多忙な日程の中、代々木上原の回教寺院で祈られた。
国賓として来日されたファイサル国王。
国賓として来日されたファイサル国王。



ファイサル国王来日

 サウジアラビアの故ファイサル国王の日本への招待は、皇太子だった同国王が バンドン会議に首相兼外相として出席された時からの日本政府の懸案であった が、1971年5月この夢が実現した。

 同国王は天皇陛下とも御会見され、日本・サウジアラビア間の経済協力につい て財界首脳部と懇談、産業施設の視察、NHKテレビでの対談など多忙な日程の 中で代々木上原の回教寺院(モスク)を訪れ、日本のイスラム信徒とともに正午 の礼拝を行われた。

 ここにひとつの詩を紹介する。作者はファイサル国王に随伴して来日した情報 省顧問カナーン・アル・ハッテーブ氏。訳者はアラビア石油株式会社取締役サウ ジアラビア王国駐在代表、林昂氏。

日本にささげる詩
おお日の本の国  神の恵みを受けし国
東の方、日いづる国 西の方、日しずむ国
互いに遠くはなれし国 いま我等日の本にあるも
東洋の血はかよい さながらに母国に安らぐ思い
はだの色の違い それも今や我等のほこり
我がはだ褐色とせば 御身はうるわしき黄色の色
侵略に雄々しくたち向かいし国  なにものも打ち負かし得ない国
日本 なんと偉大な国 不思議なる国
つまずきにもめげず すっくとすぐ立上りし国
アラビア馬の純血にもにて 黙々とひたすらに努力せし国
目標に向うその確かな歩み 夢はいま現実 失われし栄光
今さんぜんと 光芒をはなつ
そはひときは高く 輝くが故に
あまたの星その顔容を失う 御身の心温まるおもてなし
御礼を申さずにおかれない国 我等互いに同じ痛みに傷つきし国
恥辱にひざまずき得ぬ我等 我等の怒り
その何人も阻み得ぬもの (いまわしき思い出)
パレスチナ 失われし我が権利  奪われしあの土
追われしある友 取戻し呼び戻す為の
長い苦しい我が闘争 愛する聖地よ エルサレム
我見るにしのびず涙する 汚辱にまみれてあるその姿
約束のなんと数多きことよ (国連そして大国)
さながらにかみなりすれど 雨降らぬ雲にもにて
聖なる戦い この手に必ず取戻すパレスチナ
この時パレスチナの丘に 正義はみなぎる
この土奪い返さねば 我に残る道 唯一つ
死あるのみ また母に寄せる愛にもにて
我 祖国を愛す イスラーム
永遠に続く教え 歳月を超えた真理



筆者:阿部政雄
転載:「アラブ案内」グラフ社(1980年発行)

(2008年2月19日更新)

                

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