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指定された時刻にロビーに集まっていると、そこにアブダッラー(以後アブ)
と年老いたドライバーさん、そしてドライバーさんより少し若めの愛想の良いお
じ様が待っていた。
| アブ |
「皆さん、良く眠れましたか? 青年福祉庁の私の上司をご紹介します。アブ
ドゥルアジーズ(以後アジーズ)です。」 |
| アジーズ |
「どうもはじめまして。今日は一緒に沙漠に行きたいと思います。滞在中は何度
かお目にかかると思いますが、どうかよろしくお願いします。」 |
バスに乗り込む一行。ふと見るとホテルの玄関に昨日までは見当たらなかった
軍関係と見られる車両がばっちり停まっている。中には屈強そうな二人。
| 私 |
「やはり日本人が滞在するから警備を付けてくれたのですかね? ま、一応お客
様だし。昨日、パレスチナの精神的指導者ヤシーン氏がイスラエルに暗殺された
影響がサウジであったら嫌だなあ……。」 |
| 団員T |
「ですなあ。てゆーか、相変わらず運転怖いですね。あ、あそこ事故ってます
ね。そりゃ事故りますよねえ……。」 |
リヤド市内から30・40分程走ったであろうか、目の前に草原というか、牧
草地帯が広がってきた。良く見るとテントがちらほら。見た目的にはモンゴルの
ような感じがする。
| 私 |
「あのテントは何ですか? 人が住んでいるのですか?」 |
| アブ |
「我々サウジ人は週末や休暇を利用して家族でテント生活を行ったりします。理
由は、自分達の祖先、遊牧民族(つまりはべドゥイン)の生活を思い出し、それ
を家族で受け継ぐ為です。」 |
| 一同 |
「へぇー。日本のキャンプとは違って深い理由があるんだなあ……。」 |
そんな真面目な話しをしていると愛想の良いアジーズがH団長に話し掛けてい
る。
| H団長 |
「いや、日本人はやはりサウジを金持ちの国だと思っているのかといった事ですよ。」 |
すると、アジーズがニコニコしながら我々の方を向きながら何か言っている。
H団長がすかさず日本語に通訳してくれた。
| アジーズ |
「いやー、私は油田を3つ持っています。そして独身の娘が二人います。皆さん
の中で独身の方がいて、娘と結婚してくれるなら油田を一つ差し上げましょ
う。」
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するとH先生がこう呟く。
| H先生 |
「100%冗談ですよ。油田は絶対持っていませんよ。」 |
がっかりする一同。バスの中ではこのようなたわいも無い会話が続いた。する
と景色は徐々に牧草地帯から沙漠らしき景色へと変わり始める。先程までのベド
ウィン風の雰囲気とは違い、目に飛び込むのは沙漠の中のバギーやバイク。見た
目は日本の暴走族のようだが……。
するとバスはサウジ版コンビニのようなところで停まる。そしてアブとアジー
ズが車外へと出てゆく。買出しであろうか。5分後、大量の飲み物を手に二人が
帰ってきて我々に差し出す。どうやら沙漠対策のようだ。そしてそこから数分車
を走らせると目的地らしき場所へ到着した。
車から降りるとそこは見渡す限りの砂。するとH団長がこんな話しをしてくれ
た。
| H団長 |
「以前に皇太子様が来訪された際にあまりにも沙漠が汚いので現地の日本人会で
沙漠のごみ拾いをしたという噂を聞いた事があります。ほら、よく見るとゴミだ
らけでしょ?」 |
| 一同 |
「確かに! よく見るスナックの袋や空き缶、よくわからない生物の骨などがち
らほら。てゆーか、めちゃくちゃ汚いですな。」 |
しかしながら、遠くを見ているとすばらしい気分に浸ることができる。サソリ
が出そうで少し怖いのだが、一人がやりだすとみんなが続くのが日本人の良い
(?)ところ。沙漠の頂上部分をめがけて突進し始める。結構サウジの沙漠は細
かく軽い。靴の中にじゃんじゃん入ってくる。
頭の良い団員はペットボトルに入れ持ち帰ろうとしている。ペットボトルの
無い人達は靴の中に入れて車内で詰め替える様子。私はというと、ペットボトル
は無し。靴に入れるのはお気に入りのGUCCIの靴なので却下。よって持ち帰らな
いことに決定。
すると我々のもとに数人のバギー軍団が登場。バギーもかなり改造してあり、
日本の暴走族が付けているような「紫回転灯」や「竹やり」のようなマフラーを
装着した物など様々。ウイリーをしたりエンジンの空ぶかしをするなど、全く日
本の暴走族と変わらない。しばらくするとサウジの案内係も飽きたのか、
筆者:鈴木 健
アラブ イスラーム学院 研究員
(2008年2月26日更新)
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