クウェイトで考えた
 

【寮の食生活あれこれ】


ほとんどの留学生が来たときよりもふっくらとして帰っていたと思う。というの は、クウェイト料理は「アラブ料理」ならぬ「アブラ料理」だから。冷めたスー プに浮かんでいる部厚いレンズのような油を見て、私は「なんちゃってベジタリ アン」となることに決めた。もっとも、寮の食事はインド人やスリランカ人、エ ジプト人が作っているので、厳密にはクウェイト料理ではないだろうが。

さて味のほうだが、油ギッシュなだけでそんなに悪いことはない。ただ、味を 云々言う前にメニューが単調過ぎ! なにせ、1週間もいれば見たことがある料 理が並ぶのである。そこで、寮の食事に飽きた人は「食券裏技」を使うことにな る。月に1回配られるこの食券、実は寮内のみならず、どのキャンパスの学食で も使うことができるのだ。そのようなわけで、2ヶ月も過ぎると、昼はメニュー が豊富な他の学食で食べるようになった。

寮の食事の悪口ばかりを書くのもアレなので、一言ぐらい誉めておこう。金曜日 の朝には美味しいオムレツを目の前で焼いてくれたし、ちょっとしたお菓子が出 たりすることもあった。また祭日、例えばイード・アル=アドハーでは羊が屠ら れるなど、特別な料理も出してくれた。イラクが撤退した記念日には、なんとク ウェイト国旗がデコレーションされたケーキが登場! もっとも色がエグかった ので、私は手をつけた記憶がない(国旗の赤と黒のところなどは、食べると舌が 黒か赤になる「ドラキュラアイス」を想起させる。)ちなみにこの寮内食堂、ラ マダーン中はやはり夜(朝?) 2時半にオープンし、昼は16時半頃から18時 半頃まで、夜は20時半から23時頃までやっていたと思う。当然ながら、デー ツ、ヨーグルトや杏ジュースなどのラマダーンミールが用意されていた。

…しかし、それでも寮の食事には飽きる。だから留学生は自炊を始めるのであ る。どんなところでも「食」にこだわるのは、やはりアジア系。韓国人は自家製 キムチやコチュジャン、インスタントラーメンを必ず持っていたし、フィリップ ス製の炊飯器を共同で買ったのも彼らである。もちろん、中・東欧勢も負けては いない。何人かのクリスチャンが復活祭の前に断食していたが、それが終わった 日に色々な料理(彼らの伝統料理かどうかは知らないが)を振舞ってくれた。こう して「試食専門」の私は、クウェイトでアジアからヨーロッパまでの様々な料理 を味わうことができた。

以下は余談。噂によると、男子寮の食事には「精力を減退させる木の実」という 世にも恐ろしいものが混ぜられていたという。もっとも、クウェイト人とアメリ カ人とブルガリア人の計3人と同時進行で付き合っていたというドイツ人♂など を見ると、あまりこの木の実の効果はなかったのではないかと思うのだが。

<今週のはーみシュ>
・飲み水には注意。ウォータークーラーの水でさえ、長く飲んでいると腎疾患に なるとか。私は食券でペットボトルの水を買ってストックしていました。
・日本食は割高だし種類もあまりないので、できる限り日本から持っていった方 がよいです。また、韓国食を売っているお店は、ムサンナー・コンプレックス (この中に大きな書店がある)近くにあったと思います。その他、フィリピン マーケットなどがあったと思います。
・ラマダーン中は、大学の宗教監督官がキャンパス内をウロウロして、断食がき ちんと実行されているかどうか目を光らせています。
・キャンパスのお食事処は学生食堂だけではありません。ケイファンキャンパス 内にはマクドナルド、ハールディーヤキャンパスにはデイリークイーン(アイス クリームショップ)がありました。

クウェイト国旗のケーキ
写真は「クウェイト国旗のケーキ」。詳しい話は文中にあります。気持はわかるけれど、なんか間違っていると思いました。


執筆:門屋 由紀
アラブ イスラーム学院 研究員

                

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