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やがてアラビア全体がイスラームの地となりました。預言者ムハンマドは、ハッジ(巡礼)を行うつもりでした。そしてマディーナとその周辺地域のムスリム達にその意図を知らせ、彼らにハッジに加わるように求めました。
これは、彼が生存している間に行った唯一の巡礼でした。この場で彼は、同行者たちと世界全体に、ハッジについて、そしてアッラーが彼に託した全人類への神のお告げを示しました。
このワダー(別れ)のハッジの期間に、ウンマ(共同体)とのアラファートの山での最後の集まりにおいて、預言者ムハンマドによる説教が彼の死の81か82日前に行われました。
それはイスラームのとても根本的な事を含んでいました。
彼はラクダに座りはっきりとした口調で語り、その演説を聞いた者達にその内容を不在の者達に伝えるよう命じました。
その中で、彼は言いました。:
「人々よ。私の話によく注意して耳を傾けなさい。この年の後、私はあなた方の中に再びいられるかどうか分からないのだから。よって、私があなた方に言う事を、とても注意深く聞きなさい。そして、これらの言葉を今日ここに不在の者達に届けなさい。」
「人々よ。あなた方が、丁度、今月、今日、この町を神聖なるものとしてみなすように、各々のムスリムの人生と財産を神聖な財産として捉えなさい。あなた方に託されたものを、正当な所有者に返しなさい。誰もあなた方を傷つけないように、あなた方も誰も傷つけないようにしなさい。あなた方は、実にあなた方のラッブ(主)に会うのだという事、そして、実に彼はあなた方の行いを清算するのだという事を心に留めなさい。アッラー(崇高なお方)は、あなた方が法外な高利を取る事を禁じています。よって、全ての債務の利子は、今後、放棄撤回されるでしょう。」
「あなた方の宗教の安全の為に、シャイターン(悪魔)に気を付けなさい。彼は、大きな事において、あなた方を迷いに導く事が出来る全ての望みを失っています。ですから、小さな事でも彼に従わない、という事から気をつけなさい。」
「人々よ。あなた方は、あなた方の女性達に関して確かな権利を持っている事は事実です。しかし、彼女達も又あなた方に対して権利を持っています。もし、彼女達があなた方の権利に従うなら、彼女達に、適度な食料と適度な衣料が与えられる権利があります。
彼女達はあなた方の配偶者であり、助手として託されているのだから、あなた方の女性達に良く待遇し、彼女達に親切にしなさい。そして、彼女達が、決して不義を犯さないのと同様、あなた方の認めない如何なる者とも親しくしないようにするのはあなた方の権利です。」
「人々よ。私の言う事を真剣に聞きなさい。アッラー(崇高なお方)を崇拝しなさい。日々の5回の礼拝を捧げなさい。ラマダーン月の間、断食を行いなさい。そして、あなた方の富を喜捨(ザカー)しなさい。もしあなた方に行う余裕があるのであれば、ハッジを行いなさい。あなた方は、各々のムスリムが他のムスリムの兄弟である事を知りなさい。あなた方は、全て平等です。敬虔さと善行を除いては、誰も他に対して優越しません。」
「覚えておきなさい。ある日、あなた方は、アッラー(崇高なお方)の前に出て、あなた方の行いに関して答える事になるでしょう。だから、気を付けなさい。私の死後に正しい道からはぐれないようにしなさい。」
「人々よ。私の後には預言者も使者もやって来ません。だから新しい教義も生まれません。ゆえに、良く推論しなさい。」
「人々よ。あなた方に伝える私の言葉を理解しなさい。私は、2つの事、アル・クルアーンと私の見本、スンナを残します。あなた方はこれらに従えば、決して正しい道からはぐれる事は無いでしょう。」
「私の言う事を聞いている全ての者達は、私の言葉を他の者達に伝え、その者達はまた別の者達に伝えなさい。その最後に伝えられた者達は、私の言う事を直接聞いた者達よりも良く理解できるように伝えなさい。アッラー(崇高なお方)よ。私が貴方の僕(しもべ)達に貴方のお告げを伝えた事に関して私の証人となって下さい。」
この説教の内容の重要性は、この説教が預言者ムハンマドの生涯最後のものになるだろうと彼自身が感じたことによるものでした。
預言者ムハンマドは、これが信者たち兄弟・姉妹にイスラームの原理を手短に述べるに適切な時であると感じました。
この宗教の完璧さにより、この説教は、人類にとって、そして特にムスリム達にとって、代わりとなる他の生き方を探す必要が無い事を提示しています。預言者ムハンマドが後に残した2つの事、アル・クルアーンとスンナをしっかりと守っていく限り、その者は決して道からはぐれる事は無いでしょう。
ムハンマド アル・トゥワイジュリー著
「預言者ムハンマド(彼に平安あれ)人類への恩恵」の翻訳より |
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