昔からアラブ人の生活における詩の役割が非常大きく、部族にとって詩人が現代の情報省にあたったともいえる。また、イスラーム時代の前にアラブ人が金で書かれた詩をメッカにあるカーバ神殿にかけたと伝えられている。部族の価値や地位を株で考えたとすれば、一節の詩である部族の株が上昇すれば、他の部族の株が暴落する。その例として今日はラクダの鼻族の話を紹介しましょう。
7世紀(イスラーム時代の以前)にラクダの鼻という部族がアラビア半島に住んでいた。その名前のせいで部族の人たちはいつも他の部族にあざけられ、笑いものにされていた。そのため、ラクダの鼻部族の人たちはいつも、自分らの本当の家系を言わずに、他の部族の名前を述べていた。
そしてある日、一人の詩人がラクダの鼻族の地元にやってきた。お客さんを大切にして暖かく迎えるのがアラブ人にとって義務でもあって、ラクダの鼻族は最大のおもてなしをした。歓迎された詩人が感謝の気持ちを込めて、一節の詩を書いた。以下の詩です。
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قومٌ
هم الأنفُ و الأذنابُ غيرهمُ ومن ذا يساوي بأنف الناقة الذنبا ؟ |
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その族が鼻であり、尻尾は彼ら以外のものである
ラクダの鼻と尻尾を同じく考えるものがいるのだろうか。
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| たった一節の詩だけで、アラビア半島の中で他の部族が羨ましく思うほどラクダの鼻族が地位が大変高くなった。ラクダの鼻族の人たちも自らの家系を自慢するようになったと伝えられている。 |
執筆:ブカーリ イサム
早稲田大学 大学院理工学研究科
アラブ・イスラーム学院文化・広報担当
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