詩の世界
 

【カリフと女性】
 

アラブ社会なら誰でも誇りに思う話がある。それはアンムーリイヤの開放だが、なぜそこまで有名になったのだろう?

837年にアッバース朝のある街がローマ軍に攻撃された。男たちは殺され、女たち子どもたちがローマ軍の奴隷となった。その時イスラーム教徒の女性が叫んだ。「ワー ムウタスィマー!!」意味は「ああ、ムウタスィムよ!!」。

当時アッバース朝のカリフであるアルムウタスィムがその話を聞くや否や、自分の軍隊を集め、自国民を救出するために出撃した。人々を助けた後、二度とそのような事件が起こらないよう、ローマ軍が保有するもっとも警戒が強い街を開放することを決意した。その街がアンムーリイヤだった。「その時期に出撃するならば敗北する」と言った占い師の言葉には耳を傾けずに戦いに赴いた。そして838年8月12日にアンムーリイヤが開放された。

一人の女性のためにアンムーリイヤを開放したカリフとして、アルムウタスィムがイスラーム歴史に輝き、アラブとイスラーム教徒の心に名前を残した。

当時の詩人であるアブー タンマームがその出来事を詩に書いた。その詩の一部を紹介しましょう。
 

السيف أصدق أنباءً من الكتب             في حدّه الحد بين الجد واللعب
بيض الصفائح لا سود الصحائف في        متونهن جلاء الشك والريب




剣は本より真実を述べる
真面目と遊びを仕切る鋭利さにおいて
黒い記録ではなく白い記録に
疑いを取り除くその本文において


執筆:ブカーリ イサム
早稲田大学 大学院理工学研究科
アラブ・イスラーム学院文化・広報担当

 


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