クルアーン道
 

【アルイフサーン】
 

至高のアッラーはアルクルアーンのアンナフル章90節で次のように仰りました。
『本当にアッラーは公正と善行、そして近親に対する贈与を命じ、また凡ての醜い行いと邪悪、そして違反を禁じられる。かれは勧告している。必ずあなたがたは訓戒を心に留めるであろう。』

この節は唯一神信仰の上に成り立つ正しいアッラーへの崇拝行為と善行を関係付けています。というのもこれらふたつには切っても切れない関係があるからです。この統一がイスラームにおける人間関係の基礎をなす根源なのです。

しもべがアッラーを完全な信仰で信じるとき、そのしもべの良心と行いはこの主が愛することを愛するようになり、その者の行動は意図次第でアッラーへの崇拝行為へと変化します。ですから、もし人々が公正さとアルイフサーンの上に成り立っているこの教育を施された場合、社会は主が敷いた正しい基礎の上におかれた社会的・経済的・政治的・人格的な関係が支配する一つのまとまった社会へと変化するでしょう。

公正さとアルイフサーンに関して少し説明すると、「公正さ」とは人々を自分自身の望むこととアッラーが好むことの間の調和へと導きます。つまり、人々が権利を持つ者それぞれに権利を与えることを指しています。

「アルイフサーン」とは「公正さ」以上に徳のあることで、それは相手への善意と寛大さから現われる行為です。例えば、アッラーへの愛とアッラーの満足を願って、自分に害を与えた者を許し、握手をし、相手の害に対し善行を返すのです。

また「アルイフサーン」とは人間と主の関係をも含みます。ムスリムの伝承によると預言者は次のように言いました。

『「アルイフサーン」とはあたかも目に見えているかのようにアッラーを崇拝することです。あなたがたには彼(アッラー)が見えていなくともアッラーにはあなたがたが見えているのだから。」』
 
同様に「アルイフサーン」とは人間とその家族・共同体・全人類との関係をも含みます。それどころか、アッラーがあなたに与えたものや導きによってアッラーの創造物によくすることをも含みます。そして彼らを導き、すべての善へと導く真理の道へ彼らを導くのです。
アッラーはアルカサス章77節で仰りました。
『…そしてアッラーがあなたに善いものを与えられているように、あなたも善行をなし…』

「アルイフサーン」のうち最も善いものは、害に対し善行で返すことです。なぜなら、この行為が私たちを人々の心の奥深くまで到達させ、その心に根付く敵意を取り除かせるからです。

フッスィラト章34、35節のアッラーの言葉もこのことを裏付けています。
『善と悪とは同じではない。(人が悪をしかけても)一層善行で悪を追い払え。そうすれば、互いの間に敵意ある者でも、親しい友のようになる。だがよく耐え忍ぶ者たちの外には、それは成し遂げられないであろう。格別幸運な者たちの外には、それを成し遂げられないのである。』

このようにして私たちは、イスラームが歴史上非常に短い時間で信者たちの心に善い人格を形成させることが出来た、と考えます。

なぜならイスラームが公正さ・アルイフサーン・親類によく振舞うこと・善を命じ悪を禁じることの上に成り立っているからです。

すべての悪を防ぐすべての善いことを集めているこの一節のなんと素晴らしいことでしょう!

執筆:ヌーラ アッダハマシ

                

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