読者の声
 

【Peace Kids Soccerとのかかわり】


 週間アラブマガジンご愛読のみなさん、ようこそ。

 みなさんは、NPO法人Peace Kids Soccerをご存知ですか?

 NPO法人Peace Kids Soccerは世界の平和を実現するための対話プログラムを提供していて、この中の「Youth for Peace」プログラムでは、イスラエル・パレスチナの子供達(小学生〜高校生)を日本に招待し、日本の子供達も交え、共同生活・作業やスポーツを通じて相互理解を図っています。

 今回の読者の声では、このプログラムへ参加した学院OBのお話をご紹介します。

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 丁度2年前の今頃、私は大学とは別にアラブイスラーム学院の夜間中級コースでアラビア語を勉強していた。学生時代、イスラエル、エジプトにそれぞれ半年ずつ滞在していたこともあり、いつかは中東で働きたい、現地の言葉を身に付けていろんな人と交流したいという目標があったためだ。

 ある日同じクラスの女性から、8月にイスラエル・パレスチナの子供を日本に招待するプログラムがあるので通訳として参加することを勧められた。正直、「通訳」としての参加は躊躇った。同じ中級コースを経験された方なら分かるだろうが、通訳をできるだけの会話能力も自信も当時の私にはなかったからだ。

 しかし、私がアンマンで道に迷ったときに自分の仕事を抜け出し目的地まで案内してくれたイラク人。初めてカイロに到着した夜、バスがなくなり困っていた私を自宅に泊めてくれたエジプト人。数えればきりがないが出身国を問わず多くのアラブ人に世話になっていた私には、遠いパレスチナからの訪問者をほうっておくことができなかった。

 イスラエル・パレスチナの子供が共に同じ場で暮らすということもあり、心配がなかったわけではなかった。しかし小さな問題はあったものの、そこにある意味中立な日本人の子供が入っていたことでイスラエル・パレスチナの子供達が共に暮らす上で共通の友人ができ、3者が上手くまとまることができたように思う。

 極端な例えではあるが、多くのアラブ人はテロリストだと思っていたイスラエル人の子供達、生まれた頃から目にするイスラエル人は兵士だけだったパレスチナの子供達。双方にとって共に暮らした経験は将来の彼らにどういう影響を及ぼすのだろう。必ずしも我々大人が望んでいるような相互理解や平和の大切さを学んでくれているとは限らないかもしれない。しかし少なくとも、イスラエル・パレスチナ双方に自分の知っている同世代の友人がいることは大きな意味をもつのではないか。彼らが再び会えることができるかは分からない。それでもお互いが相手の喜びや悲しみに共感できると信じるからだ。


元アラブイスラム学院学生 小林武史

                

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