2005年5月21日に、日比谷公園で開催されたアフリカンフェスティバルの中で、エジプト大使館主催の「アラビックカリグラフィー」という講演が行われた。講演を行ったのは、アラブ イスラーム学院教師ジャマール・ザイトゥーン氏、そしてNHKアラビア語講座でお馴染みのアブドーラ・アルモーメン氏である。
講演開始時間になるとたくさんの人々が集り、用意された椅子は満席となった。聞きなれないアラビア語に引き寄せられてやってくる立ち見の観客も多くいた。
まず、幾つかの作品を見ながら、その作品に書かれた文字の内容や、使用されている書体が説明された。画面に新しい作品が映し出される度に、観客の中から驚きの声が聞こえた。それというのも、アラビア書道は作品の中で様々に形を変える。時には、その文字がモスクを描き出し、また時には、祈りを捧げる男性を描き出す。初めてアラビア語に触れる人の目には、神秘的に映ったに違いない。
ジャマール氏がホワイトボードにアラビア語を書き始めると、集った人々は右から左へと書かれる文字を真剣に見つめ、用意された紙に書いてみる人、中には空中に手を振りかざして真似ている人もいた。
途中、アルモーメン氏との「アルヤーバーン」(日本)、「ミスル」(エジプト)などの発音練習を挟み、徐々にアラビア語に慣れてきたところで、観客の中から数名が選ばれ、日本語の名前をアラビア語で書くことに挑戦した。ぎこちない手つきではあったが、出来上がった文字はなかなかのもので、ジャマール氏やアルモーメン氏を驚かせた。こうして、上手にアラビア語を書くことができた人には、最後にエジプト大使館のサラハ・エルサデック参事官から様々なプレゼントが贈られた。
参加者はアラビア語という文字の芸術的な面に触れ、これをきっかけにアラビア語に興味を持った人も多いのではないだろうか。一見、ヘビのようで、どこまでが1文字なのか分からない。中には「ミミズ文字」などと呼ぶ人もいる。しかし、アラビア語の高い芸術性は多くの人を魅了する。なんといっても私もその一人なのである。今後も、アラビア語やアラビア書道と出会うこのような機会が増えることを願うばかりである。
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