昨年12月、カタールの首都ドーハで、第17回ガルフカップが開催されました。湾岸全8カ国が参加する、言わば、サッカーのお祭りのような大会。今回は、政権崩壊によってスポーツ制裁を解除されたイラクも、14年ぶりに大会参加しました。この湾岸8カ国だけで、先にも述べたW杯最終予選参加国が3カ国もいます。大会前日の12月9日、W杯最終予選の組み合わせ抽選が発表されると、それぞれの国の想いは様々に変化していきました。ガルフカップ予選リーグは、A組にカタール、UAE、イラク、オマーン、B組にサウジアラビア、クウェート、バハレーン、イエメンの組み合わせとなり、B組は、まさにW杯最終予選の前哨戦となりました。優勝候補の一角、オマーンは、W杯アジア一次予選で敗れはしましたが、日本に善戦したことは記憶に新しいはずです。それから大会は、意外な方向へ進んでいきました…。
サウジアラビアのエースストライカー、ヤーセル・カフターニ選手の周りはいつも報道陣が取り巻いています。22歳の若さながら、現在やや低迷と囁かれるサウジサッカーの救世主的な存在です。ゴールシーンの後に見せる、弓矢を打ち抜く真似をするパフォーマンス、そして、世の女性を魅了する美しい顔立ちから、“アラビアのロビンフッド”と呼ばせてもらいたい。忙しいスケジュールの中、昼食後の短い休憩の合間を窺い、カフターニ選手に日本の印象など、いろいろな質問をぶつけてみました。
「どうぞ、喜んでお答えしますよ!」
“ロビンフッド様”は、嫌な顔ひとつせず、笑顔から白い歯がこぼれました。
― ご出身はどちらですか?
ヤ サウジアラビアのマフラカという街です。
― 現在の目標、夢は何ですか?
ヤ 絶対にワールドカップに出場すること。それ以外は考えられません。
― サッカー以外にやりたいことはないですか?
ヤ ありません!サッカー以外にやりたいことはクラタ・ルカダム!!(笑)
― 日本のサッカーをどう思いますか?
ヤ 代表チームはアジアで最も発展していて、すばらしいですね。
― 最後に一言メッセージをお願いします。
ヤ サウジアラビア代表の勝利と、成功と発展を祈っています!
年齢を感じさせない落ち着きと、試合をリードするドリブル、決定力から、サウジアラビアを勝利に導きます。彼の想いは、アジアサッカーにおけるサウジの王座奪回と、W杯4大会連続出場の偉業を成し遂げられるでしょうか。しかし、ガルフカップでは予選リーグ敗退という残念な結果に終わってしまいました。
その後、6月8日の対ウズベキスタン戦。見事な勝利を収め、サウジアラビアはドイツワールドカップへの切符を手にしました。長かった低迷期を乗り越え、伝統あるサウジサッカーは完全に復活を遂げたようです。本大会で日本と共にアジアの代表として、大いに活躍してくれることを期待したいと思います。
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