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麻薬の使用と売買が増加すると、知識人たちは麻薬の害悪と危険性を訴える先陣
を切った。そして世界は麻薬の害悪にこぞって関心を示し始めた。国連の統計調
査の1つによれば、全世界には2000万人を超す麻薬中毒者が存在する。また
他の統計では、アメリカ1国だけに1600万人以上の麻薬中毒者がいるとい
う。アラブ世界もそこにおいて影響を受け、影響を与える世界の一部である。だ
から疑いなく、世界に存在する問題はそこにも存在しないことはない。麻薬問題
もその例に漏れない。国におけるレベルの差こそあれ、現代アラブ社会でも麻薬
問題は存在する。統計調査によると:「アラブ世界で最も広まっている理性に有
害な麻薬物質は、マリファナ、オピウム、ヘロインである。アラブ世界における
麻薬常用者の中では、最も廉価で購入しやすく害も少ないと見られるマリファナ
が最もポピュラーである。」
アラブ世界が切り離すことの出来ない世界の一部であれば、サウジアラビアもま
たそうで、麻薬の害悪から安全でいることに成功していない。あらゆる階層のア
ラブ及びムスリム青年が麻薬という魔物の餌食になっており、多くの者が命を失
い、そうでなければ社会的に脱落した状態に陥っている。世界規模におけるこの
現象の拡大は、その原因解明と中毒治療法、麻薬撲滅の効果的手段及び被害を最
低限に食い止める方法などの諸研究を促した。そして真摯な努力の結果、サウジ
の研究者たちは、サウジ社会特有の麻薬問題の原因を突き止めることに成功し
た。その中で言及された個人的原因を取り上げてみよう:
1.現実からの逃避:つまり失業や階層、大きな所得格差、学業・社会的失敗、
金銭的・行政的腐敗などが原因で、辛い現実から逃れるために種々の麻薬を逃避
の手段として選び、空想の世界やかりそめの快楽へと向かうケース。中毒者の中
に一番多く認められるケースで、貧困層・下層社会出身者が多い。
2.虚勢やプライド:沢山の裕福な者がこの扉を通って中毒の世界に入る。つま
り中毒者がヘロインなどの高額な麻薬を裕福な者に提示し、それを購入させる。
3.模倣:沢山の若者、年少者が、彼らの友人たちの中で劣った者と見なされた
くないがために彼らを模倣し、麻薬中毒に陥るケース。その動機としては他に、
仲間の中で自分の立場を維持するためとか、男子の場合であれば男らしさを示す
ためとか、女子の場合であれば成熟を示すためとかがある。
4.性的な側面から:麻薬には性的感覚を活性化させ、性行為の際の能力を高め
る効用があるという風に信じられている。しかしそれは麻薬売人の売り文句であ
り、中毒者たちの間で広まっている噂に過ぎない。それは性的能力を活性化さ
せ、羞恥心を除去すると信じられていた、かつての結婚初夜の際の飲酒の習慣の
延長のようなものではないか。
5.疲労への恐怖:ヘロインなど、痛みを抑える効能のあるその他の麻薬物質を
利用することによって中毒に陥るケース。薬品として使用されているもののいく
つかには、麻薬作用があることを知らなければならない。その中毒のきっかけは
治療経験や、医者の処方を介することなく患者同士でよく効く痛み止めなどを勧
め合ったりすることなどによるものがある。
6.様々な理由によるサウジ国外への旅行の増加:商業、経済、学業的理由など
で海外に出国し、麻薬を覚えてサウジに帰国するケース。
7.外国人労働者の流入:誇張や偏見、人種主義などを抜きにして、仕事や生活
などを目的とした外国人のサウジへの大規模な流入は、この分野においても大き
な影響を持っている。彼らの多くはサウジ社会とは異なる習慣を持つ人々で、好
ましくない物事や現象、問題を持ち込んでくる可能性もある。そのうちの1つが
麻薬売買である。
そして社会的な問題としては次のようなものがある:両親の監督の行き届きの至
らなさ、家族の一員に麻薬常用者がいること、家族の冷たい対応、両親の内の1
人が宗教的義務を怠っていること、両親が仕事で多忙であること、甘やかし、両
親の間での意見の相違、両親の離婚、父親が2人以上の妻を娶り、子供そっちの
けで新妻にばかり関心を払うこと、両親の内のどちらかが亡くなり、子供の世話
がないがしろになってしまうことなど・・・。
これらの要素全てに一般的要素(サウジ国外の世界レベルの要素)が加わって複
合されたものが、サウジにおける麻薬の摂取や取引を推進する要因となる。
そしてサウジの専門家が麻薬摂取による悪影響について研究した結果、それらを
以下のように分類することに成功した:
*個人的悪影響:無気力、学校の課題を怠る、憂鬱、他人から疎遠になる、自責
の念など。
*社会的悪影響:盗みや殺人などの犯罪や学業の滞り、家出、両親や兄弟、親
戚、学友、教師らへの反抗、悪友との付き合い、隣人への嫌がらせなど。
このようにサウジの麻薬問題対策は単なる治安増強などに限らず、問題を根こそ
ぎにし、完全な解決策を打つために、専門家たちにこの現象を様々な側面から研
究させている。
それでは話の続きは主の思し召しならば、また後で。次回は麻薬中毒現象に関す
るアラブメディアの役割や、この現象の世界的拡大におけるサウジの位置などそ
の他関連情報について話そう。それではまた。
筆者:ラシャー マンスーリー
アブドルアジーズ国王大学元研究員
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