シリアでの停電は日常茶飯事だ。だから家庭にはロウソクが常備してある。調理用のコンロは自動でないからガス栓を捻りながら手で火を付ける。ストーブも灯油の手動式。シャワーも給湯器で水を1時間ほど沸かしてから使う。日本のように常時出る「お湯の蛇口」は一般的にない。先進国ではこれらを「不便」と呼ぶ。確かに効率は悪く、日々の雑用にも時間が取られる。しかし、アナログ生活の中では資源と直に接している時間が長いため、それらへの有り難みが増すのも事実だ。と同時に時の流れさえも肌で感じられる。回転の速い世界の中でシリアのアナログ生活は「贅沢生活」である。
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