アラブ女性
 

【サウディ女性の就業の現状】
 

サウディアラビア王国政府は国内近代化と石油による利益の取得後、これらによる恩恵が国民1人1人に行き届くことに意欲を注ぎました。それにより社会・健康・文化・教育に関する奉仕活動の範囲拡大への関心が強まりました。これらの奉仕活動による恩恵享受の機会は男女平等に開かれました。社会の物質的発展・男女への教育活動の普及と発展へのサウディ政府の熱意と大学卒業生の増加に伴い、外国人就業者たちに代わって徐々にサウディ人就業者が就業者層の中核を担うようになってきました。そして発展計画実現のために男性だけではなく女性の労働力も必要となってきたのです。このようにして女性就業者たちはサウディ人就業者層を構成する重要な要素となったのです。

サウディ女性の職場進出を助けた主な要因が幾つかあります。
サウディ女性への教育の普及と社会・経済界の女性たちの能力の認知。
低収入による就業の必要。
女性社会が男性では賄いきれない特別な分野において女性職員を必要としたこと。
女性自身がある種の独立を望んだこと。
家電製品や主婦の仕事を助ける様々な最新機器によって女性が外で働く時間を作ることができるようになったこと。

またサウディ女性が働く分野は大きく分けて二つに分かれます。公共・政府機関と企業・私立組織です。
 
まず公共・政府機関で働くサウディ女性についてお話していきましょう。まず女性就業者の多くはこれらの諸機関で働いており、その数は女性就業者全体の90%にものぼります。また政府は近年、これらの組織における女性就業者の人員増大を決定し、その数は約4倍に増加しました。西暦1975年には9,999人だった女性就業者の数が1984年には42,971人にまで増加しました。そして女性就業者数は増加を続け、1989年には69,026人にまで増えました。この増加は今現在も続いています。
また、公共・政府機関の女性の仕事の分野は大きく分けて二つの分野に分かれます。

1−教育・研究部門
非常に多くの女性がこの分野で活躍しており、1996年に行なわれた統計によると、公共・政府機関で働く女性の63%がこの教育・研究分野で活躍しています。この現状により、サウディアラビアの女子教育の現場では教師が女性であることは、主要都市の学校や大学では100%実現しています。彼女たちは教師・講師・教授であることにとどまらず、中には博士過程を終えた女性たちもいます。また大学の学長になる女性もいます。この分野で働くサウディ女性は現在でも増えつづけています。付け加えて、サウディ女性の行なった研究は世界レベルにまで達しました。その中でも著名なのは薬学のサミーラ イスラーム女史ではないでしょうか。

2−医療・保健分野
1996年に行なわれた統計の結果、公共・政府機関で働くサウディ女性の31%はこの分野に携わっています。つまりこの医療・保健分野は、王国の就業しているサウディ人女性の、2番目に多い職場となっています。しかしながら実際にはまだまだこの分野で働く女性の数は不足している状態です。ですからサウディ政府はいまだに、女性だけで女性社会への医療・保健分野の奉仕活動が賄えるようにこれらの分野で今後活躍する女性のための援助を行なっています。この分野では女性医師の増加だけでなく、医学部や看護学校の増設や医師や看護士たちの技能向上と奉仕活動の内容の充実にも力が入れられています。

企業・私立組織に関して言えば、これらの組織の活躍が目立ってきたのは発展計画の中でも遅い時期でした。というのも王国の発展計画の中核を担ってきたのは公共・政府組織だったからです。当然、この分野での女性就業率はゼロに等しかったのです。唯一アラムコだけが早い時期から総務・秘書・書記に関して女性職員を募集したのでした。しかしながらその数は非常に少なく、60年代前半から1982年までは195人という女性職員がいただけでした。これらの女性就業者数は王国の経済成長とともに増加していきました。

教育部門に関して言えば、サウディ女性は総務・監督・教育現場で働いており、サウディ国会の報告によれば、彼女たちの仕事は優秀な成績を収めています。その成果のおかげか、1993年までには女子校数が815校にまで増加しました。

医療・保健業務に関しては、政府は私立の医療機関が医療業務に携わることを特に奨励しています。1993年の統計によると総合病院数は72、小規模な病院は552、診療所は710という数値が出ています。これらの現場での現状は、いまだにサウディ女性の就業率が低いということです。しかしながら近年サウディ女性、また社会の医療業務に関する理解が深まってきました。私の父がよい例で、父は私の双子の姉妹たちに看護学校に進学し、看護の勉強をすることを勧めました。

その他の分野に関して言えば、金融業でも女性は活躍しています。その数は王国内のみで1993年までには銀行数は12、支店は1,160店にまでのぼりました。女性専用支店数は17店舗、通常の支店の女性専門部は58、それらで働いているサウディ女性は女性職員数347人中310人です。

福祉分野では1993年の統計によると130機関あるうちの20機関が女性専用の福祉機関となっています。メンバー数は2,423人、職員数は1,409人です。これらの機関では高学歴の女性・それ以外の女性・主婦など様々な仕事を持つ女性たちが集まっていますが、彼女たちへの援助・奉仕・活動目的は一つなのです。

報道分野においては、サウディ国内の11の日刊紙の女性に関する記事において107人の記者たちが働いています。この数は自宅などで執筆・研究活動をしている女性たちを除いたものです。その他、テレビ・ラジオなどの分野で働いている女性もいます。

実際に女性の活動が活発になったのはごく最近ですが、サウディ社会は需要と供給の調和を図るために一層の女子教育と就業援助を求めています。


筆者:ラシャー アルマンスーリー
アブドルアジーズ国王大学 生物化学元研究科

                

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