|
離婚はアッラーが許可したイスラームにおける合法な手段ですが、これは夫婦間に問題が起こり、離婚以外に解決不可能な状態になった時のために許されている方法です。これは病気になった人が健康を守るために苦い薬を飲むようなものです。今日、ムスリムたちが夫婦関係についてイスラームで定められているとおり、お互いに敬意を持って生活していれば、離婚は滅多に起こらなかったでしょう。
ところが現在、ムスリム社会は現代生活の圧力によって変わってしまい、人々はイスラームを正しく理解せず、家族の結びつきは弱まり、信仰心も薄くなり、責任感も弱くなってきてしまいました。こうしてアラブ諸国では離婚が増加してしまったのです。この現象はアラブ諸国ではきちんと研究されていません。というのも離婚に伴う問題解決のため時間が無くなったりいろいろな原因により相違が起こったりするからです。離婚は自分たちに心の不安定さを与えるだけでなく、子供たちを含む一家はバラバラになり、夫婦両家・親戚たちにまでいざこざが広がる場合もあります。当然のことながら、これらのことは社会にも悪影響を与えます。
裁判所の報告によると離婚は増加の傾向にあり、1992年に裁判所から出た統計によると13,000件の離婚が報告されました。この数字によって結婚した夫婦の35%は離婚していることになります。またリヤド市だけで1999年からの5年間で、結婚した夫婦1,400組に対し、離婚した夫婦は3,000組でした。
この数字は非常に危険な域に達していることを示していますし、実際離婚の主な原因を調べていくと、その多くは解決可能なものが多く、またその一部は、離婚の原因となったことが起こらないようにすることも可能であったものがたくさんありました。離婚の原因でもっとも多いものに、結婚相手の信仰・人格・振舞いをよく知らないうちに結婚してしまうことが挙げられます。これは男女ともに言えることで、さらに双方がお互いに合わせることが出来なかった場合、問題は大きくなり離婚以外に解決方法がないというふうになってしまいます。
また離婚の主な原因の一つに正しい教育が家庭でなされていないということが挙げられます。最近のサウディ社会では父母が子どもに正しい教育をしないことが問題になりました。双方ともに生活に追われ、教えるべきことをきちんと教えることができない夫婦が増えています。また両親が子供たちを甘やかしすぎることも挙げられています。例えば、ある女性が結婚し、結婚前には実家で料理も掃除もせず勉強と自分自身のことのみに追われて、家の仕事を全くしたことが無かったとします。その女性は結婚後、自分自身のこと・夫のこと・子どものことすべてに関する責任を一気に背負うことになるのです。当然のことながら多くの場合そのような女性は新しい生活になじめず、自分が求められている責任を果たすことが出来ないと感じ、最終的に解決できない問題にまで発展し、離婚という結果に陥ってしまいます。
男性側に関して言えば、甘やかされて育った場合、夫という立場を担う力を持たぬまま成長し、ある者は映画女優のような妻を望み、またある者は悪友を持ち人生を滅茶苦茶にしてしまいます。またある者はクルアーンを間違って解釈をし、女性を奴隷のように扱ったり暴力を振るったり女性を卑下したりします。このような行為はもちろん結果として離婚を招くことになってしまいます。
要するに、夫婦両者による、自分の相手に対する義務の無理解・結婚生活を送るための準備不足・イスラームにおける結婚とは何なのかということに関する無理解あるいは理解不足がサウディ社会における離婚を増加させてしまったのです。そして離婚の最大の原因となるのは家族による教育不足と教育課程・社会・マスコミ組織による教育不足と言えるでしょう。
残念ながらサウディ社会は崩壊の道を辿っています。これを阻止するためにはイスラームの教えに戻るしかありません。現在サウディ社会にある全ての問題は人々がイスラームを正しく理解し実行していれば解決されるでしょう。これは歴史を振り返ればわかることですが、人々はイスラームで命じられている教えを守り、それを生活のあらゆる面において実行する時社会のあらゆる問題は解決されるのです。
筆者:ラシャー アルマンスーリー
アブドルアジーズ国王大学 生物化学元研究科 |
(→バックナンバー)
(→週刊アラブマガジンのトップ)
|