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私のある同僚女性は、ある私立学校における生徒の送迎サービスの劣悪さにつ
いて話しました。彼女は学年のはじめに、その学校に通う小学1年生の娘と、幼
児部の娘の授業料を納めたのですが、その時、学校の女性校長は彼女に、バスの
送迎料金も是非払うよう、さかんに勧めたそうです。バスは、定時に安全に子供
たちを学校へと送り、そしてズフル(昼の時間)には彼らを家へと送り届けるの
だ、と。
同僚はこう言いました。
「校長は私をうまく誘惑したのよ。だって、送迎バスのサービスはとても助かる
し、毎日子供たちを学校へ送る大変さや、私の仕事への影響を減らしてくれるの
だから。」
こうして同僚はその場ですぐに送迎料金を納めました。そして学期の初日にバ
スを待ったのですがバスは来ず、翌日には遅れて到着し、それからは来なくなっ
てしまいました。そこで同僚が校長の許へ行くと、彼女はこう言いました。
「私たちは、毎日バスの中で子供たちに付き添う女性職員を探していたのです
が、見つからなかったのです。」
そこで彼女は校長に、その弁明は到底受け入れがたい、と言いました。サウジ
には職がなくて困っている若い娘たちが数え切れないほどいるのだし、たとえ小
学校や中学校しか出ていない娘たちでも、仕事を必要としているというのに。
すると校長はこう言ったそうです。
「それは私にもわかっています。しかし、若い娘を雇うたびに、まず彼女たちは
給料の額を訊ね、私たちが明日にはそれを正式に知らせるから、まずは明日から
仕事に来てほしいと言うと、翌朝彼女たちは早速私のところに来ます。それで私
が給料は300リヤルであり、それは朝5時半から昼3時までの就業時間に対す
るものだというと、すぐに仕事を拒んで去ってしまうのですよ。」(*訳注:1
リヤルは現在約30円強)
同僚は私にこう言いました。
「私、校長の話を聞いて怒りで興奮し、子供たちのために私たちがこの学校に払
った金額を思い出したの。校長は、子供たちの行き帰りの安全のために付き添う
職員に、出し惜しみをしているのよ。」
そこで私は、たとえ外国人労働者でも、300リヤルの給料で納得する人間な
どいやしない、と同僚に言いました。しかし、校長はこのように言ったそうで
す。
「それが私たちの能力の限りなのですから、しかたがありません。それに、その
職員が一体どんな仕事をするというのです? ただ生徒を学校へ送り、そして7
時からは子供たちが学校を出るまで暇なのですよ。」
私はその同僚の話を、他の女性たちの中に混じって聞いていたのですが、彼女
の話を聞くと、女性たちはみな怒りをあらわにし、興奮して話し始めました。彼
女たちはみな、自分の娘や、親戚や知り合いの娘も職がなくて困っており、ある
いは安月給で悩んでいる、と口々に言うのです。
多くの私立学校は、教師を一人当たり1200リヤルか1500リヤルで雇っ
ています。労働省はいつでも、そのような給料を引き上げて、アブドッラー国王
の恩寵である国家公務員の給料に近づけるよう指示しているというのに。
教師たちの生活水準をより人間的なものとするために給料を上げるためのその
ような指導も、私立学校経営者の髪の毛一本ほども、動かしはしないのです。
私はある優秀な若い娘を知っています。彼女は優秀な成績で大学を卒業しなが
ら、1700リヤルの給料で働き、小学校・中学校・高校の3つの教育課程で教
鞭を取っています。そして年度末には500リヤルほどの報酬を与えられるので
す。夏休みやその他の休みの給料は全く支払われずに。
また、大学を卒業した別の知り合いの娘は、民間の大きな病院で働いているの
ですが、彼女の労働条件は、まず8時間労働、そして、1500リヤルの給料
で、どんな理由であれ、一日休めば2日分の給料が差し引かれること、その上、
最初の給料は2ヶ月後でなければ支払われないこと……。彼女がその理由を訊ね
ると、以前働いていた者が、仕事の大変さゆえにみなすぐに逃げ出してしまった
からだ、と言われたそうです。
だいぶ前のことですが、私は新聞で、23歳になる青年の記事を読みました。
彼は警備の分野で、1500リヤルの給料で毎日8時間働いているのだそうで
す。彼は紙面でこのように言っていました。
「私は1年前から働いています。この仕事よりいい条件の仕事が見つからなかっ
たので、いつかは給料が上がることを期待して働いているのです。」
しかしその月給の安さは、多くの若者たちに警備の仕事につくことを避けさせ
るものです。この青年は、給料の安さと週休の少なさを訴えています。週休は日
曜だけで、年間の休みはわずか15日だけなのです。
それから彼は、将来への不安と、家族を築く夢の喪失を訴えていました。彼の
給料は通常の単身者の生活にさえ足りないというのに、一体どうやって家族を築
けるというのでしょうか。
実際に民間の給料は多くの場合、屈辱的でさえある額であり、単身者用に過ぎ
ません。この民間の安月給の問題や、失われている労働者の権利の問題は、労働
省で取り扱うべく、是非ともすぐにファイルが開かれるべきものです。300リ
ヤルの給料で働くよう要求される気の毒な人たち……。それは正気の沙汰でしょ
うか?
最低限の生活を送るための当然の人権によって保障されるべき労働者の権利は
一体どこに行ったのでしょうか?
また、私たちはいつになったらこの枠の中から出られるのでしょうか?
新聞紙上で論議されるばかりで、責任者たちは、民間企業で働く安月給の労働者
たちの苦しい現状を決して変えようとしないこの状態の枠の中から。
筆者:ナジュワ ハーシム
サウジアラビア女性作家
(2008年2月12日更新)
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