これらの原因は、すべて「ワクフ」という仕組みによるものです。「ワクフ
」とは、単語の最後の部分で発音を切 って止め、その後に来る単語とは発音を続けないことを指します。「話し手がある単語を発音した時点で息継ぎをすると起きる
」と考えればわかりやすいと思います。
「ワクフ」といっても、さまざまな変化がありますが、ここではその中でも一般的な方法を紹介します。 今後、アラビア語で吹き込まれたテープや、ラジオ放送を聞く際の参考にして下さい。
語末に来る文字の発音とその具体的な方法
ダンマ(u音)とカスラ(i音)で終わっている単語
単語の最後についている「u」や「i」の音は消えます。単語の最後に非限定名詞であることを示す「n」の音がついて「-un」、「-in」
となっている場合には、「u」や「i」の音と共に、「n」の音も消えます。つまり、単語の最後に母音がつかない(=子音になる=スクーンがつく)ことになります。
文章の意味
(読み方←ワクフでない時の読み方) |
アラビア語表記
(非ワクフ時の読み方)ワクフであることを示す場合の表記 |
ザイドが来ました
(jaa'a zayd←zaydun) |
جَاءَ
زَيْدْ
( زَيْدٌ
) |
私はザイドに挨拶しました
(sallamtu `alaa zayd←zaydin) |
سَلَّمْتُ
عَلَى زَيْدْ
( زَيْدٍ
) |
公正なる王が来ました
(jaa'a-l-maliku-l-`aadil←`aadilu) |
جَاءَ
الْمَلِكُ
الْعَادِلْ
( الْعَادِلُ
) |
上に、いくつかの例文を示してみました。上の例文をそれぞれ息継ぎせずに読んだと仮定すると、表のように、書く文章の最期に来る単語末にワクフが起きることになります。
ファトハ(a音)で終わっている単語
単語の最後についている「a」の音は消えます。単語の最後に非限定名詞であることを示す「n」の音がついて「-an」となっている場合には、「n」は発音されず、かわりに「aa(アー)」という発音になります。
文章の意味
(読み方←ワクフでない時の読み方) |
アラビア語表記
(非ワクフ時の読み方)ワクフであることを示す場合の表記 |
私はザイドを見ました
(ra'aytu zaydaa←zaydan) |
رَأَيْتُ
زَيْدَا
( زَيْدًا
)
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上の例を見て下さい。目的語であることを示すために「a」の音が、更には非限定名詞であることを示すために「n」の音がつけられていて「zaydan」(ザイダン)となっている単語が、ワクフによって「zaydaa」(ザイダー)となっています。
ターゥ・マルブータで終わっている場合
単語がターゥ・マルブータ(ة
)で終わっている場合、 ターゥ・マルブータについている母音は省略されます。更に、本来「t」の音が与えられるはずのターゥ・マルブータが、無母音(=スクーンのついた)の「h」に変わります。
文章の意味
(読み方←ワクフでない時の読み方) |
アラビア語表記
(非ワクフ時の読み方)ワクフであることを示す場合の表記 |
時計
(saa`ah←saa`atun) |
سَاعَهْ
( سَاعَةٌ
) |
彼は部屋で眠っています
(yanaamu fii ghurfah←ghurfatin) |
يَنَامُ
فِي غُرْفَهْ
( غُرْفَةٍ
) |
かれはある部屋に入りました
(dakhala ghurfah←ghurfatan) |
دَخَلَ
غُرْفَهْ
( غُرْفَةً
) |
しかし、実際には、この「h」の音ははっきりと聞こえません。通常は、ターゥ・マルブータの前に来る母音「a(ア)」の部分で発音を止めて、息継ぎをしているように聞こえます。
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