愛・地球博 サウディアラビア館

—知られざる王国を紹介—
愛知万博サウディアラビア館を視察された皇太子殿下を案内するトゥラード大使(6月8日、サウディアラビア館)
愛知万博サウディアラビア館を視察された皇太子殿下を案内するトゥラード大使
(6月8日、サウディアラビア館)
愛・地球博サウディアラビア館広報担当 長谷川雅宏 
 アラビア半島の印象はと問われれば、多くの人はアラビアン・ナイトと砂漠を旅するラクダの隊商をイメージされるのではないでしょうか。近年では、中東やイスラームと聞くと戦争やテロを連想される方も居ると思います。日本のメディアから発信される中東のイメージは、必ずしも明るいものばかりではないでしょう。

 毎年1000万人以上の日本人が海外へ渡航する中、サウディアラビア王国へ観光目的で入国する邦人の数は、年間数百人程度。近年、サウディ政府は観光誘致に力を入れており、今後は日本人観光客の増加が予想されるものの、王国を訪れた邦人は今日までの累計でも数千人程度でしょう。日本人にとってサウディアラビア王国は未だ謎に包まれた国といっても過言ではないでしょう。

 今回、愛知万博(愛・地球博)に参加しているサウディアラビア館の運営に携わり、改めて日本における認知度の低さに驚かされました。しかし、その反面、サウディアラビア館を訪れるお客様のほとんどが、見学後にサウディアラビアのイメージを一新して帰られることは大きな喜びでもあります。

 サウディアラビア館は、館内を5つのエリアに分け、「叡智、調和、希望」をテーマとして、サウディアラビアの過去・現在・未来を示しながら、イスラム文化やサウディ人の生活、石油製品やエネルギーに対する理解を深めていただけるような展示を行っています。この展示を通じて、多くの方々にサウディアラビアの魅力をお伝えできるものと確信しています。

 当館の入口では、おおよその日本人が思い描くアラビアのエキゾチックな模型の展示が来館者を出迎えます。が、それは70年前のサウディアラビアの街並みを再現したもの。決して今の様子ではないことは、館内を数分歩き、近代的かつ未来的なモニュメントを中心にしたエリアに踏み込むとご理解頂ける構造になっています。
エネルギー・セクションで、原油について説明するサウディ館スタッフ
エネルギー・セクションで、原油について説明するサウディ館スタッフ
 現代のサウディアラビアを紹介するセクションでは、エネルギーの需要側と供給側双方の視点から、日本とサウディアラビアとの共存の構図をご覧頂ける展示になっています。改めて私たちの生活をみると、車を動かすガソリン、暖をとるストーブの灯油はもちろん、身の回りにあるプラスティック製品や道路のアスファルトなどに至るまで、石油及びその製品の恩恵に因らないものはないと言ってよい程です。このうち、世界の埋蔵量の4分の1を誇るサウディアラビアの原油は、日本の産業、経済、そして私たちの日常生活から切り離せない存在なのです。

 例えば、サウディアラビアから日本へ原油を輸送するスーパータンカー1隻に積み込まれている原油は、日本の平均的な家庭43万世帯の1年分のエネルギーを生み出すことができます。これは、新幹線が地球を3000周するエネルギーに匹敵するものですが、同じ量のエネルギーは東京では5日間で消費されてしまうのです。

 これほどのエネルギーを産出するサウディアラビア王国は今、石油以外の産業にも目を向け、環境問題にも積極的に取り組んでいます。環境博の異名を持つ「愛・地球博」は、限りあるエネルギーをどのように節約、有効利用するべきかという課題を、我々日本人に投げかけています。

 7月末、サウディアラビア館への入館者数は150万人を突破致しました。この先、閉幕までには、約250万人の方々が来館されることになるでしょう。アラビアン・ナイトとラクダの隊商を連想してサウディアラビア館を訪れた人たちは、どのような印象をお持ちになって博覧会会場を後にするのでしょうか。当館の展示が、サウディアラビア、日本、両国民の理解と友好の促進に寄与することを願ってやみません。
70年前のサウディアラビアを再現した展示を見学する来館者
70年前のサウディアラビアを再現した展示を見学する来館者



(※役職名等は、すべて当時のものです)
転載:「日本サウディアラビア協会報」
No.215 September 2005

(2008年4月4日更新)













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